大阪:佐々木行政書士・マンション管理士事務所ブログ

法務・会計・心理学の1級資格を有する、ビジネス・暮らしの総合アドバイザー

憲法(人権編)

大阪・寝屋川の行政書士・マンション管理士・FPです。東京商工会議所主催ビジネス実務法務検定試験(R)1級・日商簿記1級・日心連心理学検定(R)特1級の3つの1級資格を保持する、おそらく日本で唯一のトリプル1級ホルダーの行政書士だと思います。多角的な視点から思考することができる総合的なサポーターを目指しています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

お問い合わせは、E-MAIL  fwkt0473@mb.infoweb.ne.jp  まで

行政書士・マンション管理士・1級建設業経理事務士 佐々木 賢 一

(商工会議所認定 ビジネス法務エグゼクティブ(R)・日心連心理学検定(R)特1級認定者(第16号)・日商簿記検定1級認定者・FP)

大阪府行政書士会所属(会員番号4055)・大阪府行政書士会枚方支部所属

Website: http://sasakioffice.la.coocan.jp/

憲法正誤問題(参政権等)

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 今回は前回の内容を正誤問題で確認してみたいと思います。

(憲法正誤問題)
 
以下の記述は、妥当か否か。

(平成13年度国家公務員試験憲法科目より以下引用)
1.

「国民は、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負っているから、法律の定める免除事由によらず普通教育を終えていない者は選挙権を有しないとする法律を制定しても、憲法に違反しないと解するのが通説である。」

2.

「選挙に関する犯罪により一定以上の刑に処せられた者に対して、選挙権を所定の期間停止することは憲法に違反するが、被選挙権については所定の期間停止することとしても憲法に違反しないとするのが判例である。」

(引用終わり)

以下の記述は、判例に照らして妥当か否か。

(平成13年度国税専門官試験憲法科目より以下引用)

3.
「宗教上の信念に基づき輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している患者に対し、医師が、手術の際に輸血以外には救命手段がない事態が生じた場合には輸血を行なうとの方針を採っていながら、当該方針を事前に患者に説明することなく手術を行なうことは、このような手術を受けるか否かについて患者が意思決定をする権利を奪うものであり、人格権の侵害に当たる。」

(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

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正解は以下です。

解答


1. 妥当ではない。

 憲法15条2項で保障される普通選挙は、狭義では、「財力によって選挙権を与える与えないというような差別をしない選挙」という意味ですが、

広義では、財力だけではなく、教育・性別なども選挙権の要件とはしてはならないという意味になり、

現在、普通選挙を広義でとらえるのが通説的立場です。

 とすると教育は選挙権の要件とはならないわけですから、普通教育を終えていない者は選挙権を有しないとする法律は違憲となると解するのが妥当ということになります。

 問題文はこれに相反する記述となっているので妥当ではありません。

2. 妥当ではない。
 
 選挙権であれ、被選挙権であれ、選挙には公務としての性格があるがゆえに、公職選挙法上の受刑者や選挙犯罪の処刑者に対する当該権利の制約も許されると解されます(判例(最判30.2.9)も同旨)。
 
 判例(最判30.2.9)は、


「国民主権を宣言する憲法の下において、公職の選挙権が国民の最も重要な基本的権利の一であり、

それだけに選挙の公正はあくまでも厳粛に保持されなければならないのであつて、

一旦この公正を阻害し、選挙に関与せしめることが不適当とみとめられるものは、

しばらく、被選挙権、選挙権の行使から遠ざけて選挙の公正を確保すると共に、

本人の反省を促すことは相当であるからこれを以て不当に国民の参政権を奪うものというべきではない。」

と述べ、

選挙犯罪の処刑者に対し、被選挙権・選挙権を制限しても違憲とはならないと判示しています。

3.妥当である。

 判例(最判平12.2.29)の判示に基づく記述であり、妥当です。

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行政書士有志による市民生活サポート協議会主催 

「第7回全国研修会」

2007年10月13日・14日開催

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参政権

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 憲法15条は以下のように規定しています。

「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。


2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」

 ここに規定されている権利を通常「参政権」といいます。

 主権者たる国民は政治に参加する権利(参政権)を持ちます。

 具体的には、議会議員の選挙権、被選挙権、国民投票権、公務員就任権(広義的参政権)等です。

 ただし、国民投票権については直接には、憲法96条・95条に規定があり、

 また、公務員就任権については、憲法15条1項を根拠とする説だけでなく、

憲法14条

(すべて国民は、法の下に平等であつて、〔中略〕政治的〔中略〕関係において、差別されない。)

に根拠が求められるべきものであるとか、

職業選択の自由(憲法22条1項)によるものであるとか、

憲法13条

(幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。)

を根拠とするものだとする説もあります。

 参政権の中心となるのは、選挙権です。

 しかし、この選挙権を巡っては、これは「権利」であるのか、はたまた権利というよりは「公務」ではないかという点で考え方が分かれます。

 多数説は、まぎれもなく権利ではあるが、公務としての性格もあるという立場(ニ元説)にあります。

 公務としての性格があるがゆえに、公職選挙法上の受刑者や選挙犯罪人に対する選挙権の制約も許されると解されます(判例(最判30.2.9)も同旨)。

 15条1項については、「公務員を選定し、及びこれを罷免」とあるが、じゃあ国民は国会議員を罷免できるか否かという論点もあります。

 これについては、まず憲法が、国会議員が失職する場合に関し詳細な規定(45条・55条・58条2項・69条)を置いており、

またここには国民が国会議員を罷免できるという旨の規定はないこと、

51条は、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」と規定しており、

これは、国民による国会議員の罷免を否定する意味合いもある解されること、

憲法前文1項に「権力は国民の代表者がこれを行使し」とあることから、

憲法は直接民主制ではなく代表民主制を採用していると解することができること等の理由により、

国民は国会議員を罷免できないとする説(否定説)が通説となっています。

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 15条2項

(公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。)

については、「普通選挙」とは何ぞやという点が論点となります。

 普通選挙は狭義では、「財力によって選挙権を与える与えないというような差別をしない選挙」という意味ですが、

広義では、財力だけではなく、教育・性別なども選挙権の要件とはしてはならないという意味になります。

普通選挙を広義でとらえるのが通常の考え方だと思います。

 なお、憲法44条は、

「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。」

と規定し、選挙権のみならず、被選挙権に関する資格平等の原則も定めています。

 なお、被選挙権について判例(最大判昭43.12.4)は、

「公職の選挙に立候補する自由は、憲法第15条第1項の保障する重要な基本的人権の一つと解すべきである。」

としてその権利性を認めています。

 普通選挙と似た概念に平等選挙原則があります。

 これは、選挙権の価値の平等を意味しています。

 つまり、一人一票の原則です。

 金持ちには2票あげる(複数選挙)とか、

金持ちは金持ちで選挙し、金持ち代表を選び、

そうでない方々は、そうでない方々代表を選ぶというような選挙(等級選挙)はダメですよということです。

 つまり、平等選挙でいう平等とは、「数的平等」を表します。

 ただし、現在は単なる数的平等だけではなく、投票の価値的平等も、平等選挙でいう「平等」に含まれると解する立場が判例(最大判51.4.14)・通説になっています。

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 15条4項は、

「すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」

と規定しています。

 誰に投票したのかわからなくする制度を「秘密選挙(秘密投票)」といいます。

 15条4項はこれに関し規定しています。公共の福祉による制約についての規定がないので、秘密選挙については公共の福祉による制限も許されないと解されます。

 秘密選挙を保障しなければ、

「お前、あれだけ○○に入れてくれとお願いしたのに、△△に入れやがって!もう、お前の会社とは取引しないからな。」

というようなことがあちらこちらで発生して、

そして、それによって嫌な思いをするのは決まって弱者ですから、

秘密選挙は、社会的弱者保護のための規定であると解してよいことでしょう。

 諸外国でも広く採用されているものです。

 近代選挙法の基本原則としては、他に自由選挙、直接選挙の原則があります。

 自由選挙とは、選挙権を理由なく行使しなくても、罰金を科せられたり、

「こいつは選挙に行きませんでした!大切な公務を怠りました!」

みたいな感じで、氏名公表をされることはないという制度のことをいいます。

 学説には、選挙には公務性もあるのだから、

理由なくして選挙を棄権するようなヤツには、制裁を与える「強制選挙」制度も認められるとする説もありますが、

これを否定する説が多数説となっています。

 「強制選挙」のように、そこまで強権的なことをされるのはまっぴらごめんだと思う人が多いでしょうし、

こういうものはしっかりとした公民教育をやれば、

選挙棄権率は下がるものですから、

そういう方法で対処する方がベターだからですね。

 選挙権の公務性を考慮からはずして、権利として見た場合でも、

投票はあくまでも個々の国民の自由意志によるべきものでもあり、

「大切な権利なんだから、行使しなさい!しないと酷い目に合わすわよ〜。」

などと、ドSチックに、押しつけがましくやるのもいかがなものかとも思います。

 上記の例などは思いやり・人助けをしたいというよりも、優秀な自分が他人を支配したいという欲求が強いだけと思われます。

 余計なお節介、つまりよかれと思ってやる押し付けがましい一見倫理的に見える行為も憲法価値観からすると、相容れないものではないかと考えます。

 憲法13条上の幸福追求権の一内容として

「一定範囲の私的事柄につき、公権力から干渉されることなく自ら決定する権利」、

つまり自己決定権があるとするのが通説的な立場です。

 ライフ・スタイルは自分で決められるということです。

 家族のあり方や自身の人生のあり方、服装や髪型等につき、ヤイヤイ言われる筋合いはないというのは憲法上の権利でもあると解しているわけですね。

(ただし、髪型や服装については、自己決定権の保障範囲を人格的生存に不可欠なものに制限するする考え方、

つまり、「人格的利益説」によれば憲法上の保護は及ばないという結論になる可能性があります。

自己決定権は個人の自由な活動を幅広く保障するとする「一般的自由説」によれば、

髪型や服装も自己決定権の保障範囲となることでしょう。

上記は一般的自由説に基づき、記述しています。)
 
 髪型やら服装のようなことだけではなく、自分のことは例え、生き死に関することであっても、自分で決めさせろということです。

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 判例(最判平12.2.29)も、

「患者が、輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして、輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している場合、このような意思決定をする権利は、人格権の一内容として尊重されなければならない。」

として、

 「医師が、患者が宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有し、

輸血を伴わないで肝臓のしゅようを摘出する手術を受けることができるものと期待して入院したことを知っており、

右手術の際に輸血を必要とする事態が生ずる可能性があることを認識したにもかかわらず、

ほかに救命手段がない事態に至った場合には輸血するとの方針を採っていることを説明しないで右手術を施行し、

患者に輸血をしたなど判示の事実関係の下においては、右医師は、

患者が右手術を受けるか否かについて意思決定をする権利を奪われたことによって被った精神的苦痛を慰謝すべく不法行為に基づく損害賠償責任を負う。」

としています。

 まあ、最高裁判例ははっきりと自己決定権を認めたものではないと解される場合が多いのですが、それに基づくと思われる損害賠償請求権は少なくとも認めています。

 また、高裁判決(東京高判10.2.9)は、

「自己の人生のあり方は自らが決定できるという自己決定権を各個人は有する。」というような判示をし、「自己決定権」という言葉を用いています。

 このような自己決定権の対極にあるのが、本人のためを思ってというような理由付けにより行われる自由の制限である「パターナリスティックな制約」で、

日本にはこのようなパターナリズム的な制約が社会のあらゆる面で多く見受けられるものと思われます。

 パターナリスティックな制約は、自分が相手より優位な立場にあることをいいことに余計なおせっかいを行なうようなことみたいなもので、

ひとつ間違えばパワー・ハラスメントとなるパワハラと紙一重のものです。

 このような日本における「パターナリスティックな制約」の多さが、

「自己決定権」議論の必要さを際立たせるものではあるのですが、

ただ、未成年者については、未熟なゆえに自己の未来の選択肢を狭めるような可能性が高い事柄については一定の「パターナリスティックな制約」を認めるべきであるとする意見もあります。

 しかし、人権を制約できるのは基本的には人権同士が衝突した場合、

つまり他者加害がある場合(公共の福祉による制約)に限られるべきであり、

自己加害があるからといって、優越的地位を利用して親代わりになって保護するつもりで行なわれるような人権制約、すなわち、パターナリスティックな制約などは本来認められるべきものではありません。

 パターナリスティックな制約を安易に認めると、これを理由に、過剰な人権制約が行なわれがちになることは目に見えており、

国家の介入をできるだけ阻止するということがメインテーマである憲法の発想から大きく乖離することになるからです。

 したがって、パターナリスティックな制約を仮に認めるとしても、これを認めなければ、本人の人格的自律性の回復が不可能なほどに永続的に自己加害が行なわれるという極めて限定された場面にしか許されないと解されます。

 自己決定権の方にいってしまったので、長くなりましたが、今回のテーマの最後は、近代選挙原則の最後の原則、「直接選挙」です。

 これは、間接選挙や複選制に対するもので、文字通り選挙人が直接に公務員を選挙するという制度です。

 複選制(準間接選挙制)とは、例えば地方議会議員だけで、国会議員選挙をするというようなものです。
 
 つまり、住民が選んだ、地方議会議員が国会議員を選挙していますから、間接的には住民が国会議員を選んでいます。

 その意味で、準間接選挙と呼ばれる場合もあります。

 一方、間接選挙とは、国民がまず、選挙委員を選びます。

 ついで、この選挙委員が公務員を選ぶというもので、アメリカ大統領選挙などで採用されています。

 選挙委員は選挙が終わればその役目も終わって職が解かれますが、

この点(上記の例上の地方議会議員は選挙が終わっても職は解かれません。)が複選制との違いということになります。

 憲法43条1項(両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。)上の選挙には、

「間接選挙」が含まれると通常解されていますが、複選制は間接性が強すぎるので、ここでいう選挙には含まれないとするのが通説的な見解です。

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 今回は前回の内容を正誤問題で確認してみたいと思います。

(憲法正誤問題)
 
以下の記述は、判例に照らして妥当か否か。

(平成15年度裁判所事務官試験憲法科目より以下引用)


1.
「憲法第32条でいう「裁判」とは、公開・対審の訴訟手続による裁判を指すと解されており、当事者間の権利義務に関する紛争を前提としないいわゆる非訟事件についても、公開・対審の手続が必要であるとするのが判例である。」

(引用終わり)

(平成14年度特別区公務員試験憲法科目より以下引用)

2.
「国又は公共団体は、公権力の行使にあたる公務員の職務行為に基づく損害について、公務員の故意又は過失による責任を前提に、当該公務員に代位して賠償責任を負う。」

(引用終わり)

(平成13年度国税専門官試験憲法科目より以下引用)

3.
「憲法第40条は、犯罪の嫌疑を受け、抑留又は拘禁されたことに伴う被害に対し、衡平の観点から金銭によって事後的に救済する趣旨に出たものであるから、同条にいう無罪の裁判には、刑事訴訟法上の裁判による無罪の確定判決のみならず、少年審判手続における非行事実のないことを理由とした不処分決定も含まれる。」

(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

正解:
1. 妥当ではない。


 判例(最大決昭32.7.6)は、32条でいう裁判を、

82条でいう裁判と同じものであると解し、

当事者間の権利義務に関する紛争を前提とし、

当事者の主張する権利義務の存否を当事者の意思いかんにかかわらず、

終局的に事実を確定し、確認するものである

とし、非公開で行なわれる非訟事件処理は、32条上の裁判にはあたらないとしています。

2. 妥当である。


 国家賠償責任をどう解するについては、公務員の故意・過失に基づく責任を前提として、

それを国家が代位するものとする「代位責任説」が判例通説の立場となっています。

3. 妥当ではない。


 判例(最決平3.3.29)は、

「刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」とは、刑訴法上の手続における無罪の確定裁判をいうところ、

不処分決定は、刑訴法上の手続とは性質を異にする少年審判の手続における決定である上、

当該決定を経た事件について、刑事訴追をし、又は家庭裁判所の審判に付することを妨げる効力を有しないから、

非行事実が認められないことを理由とするものであっても、刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」には当たらないと解すべきであり、

このように解しても憲法40条及び14条に違反しない。」

としています。

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 請願権(憲法16条)、裁判を受ける権利(憲法32条)、国家賠償請求権(憲法17条)、刑事補償請求権(憲法40条)を合わせて受益権(国務請求権)といいます。

 これらは、権利・自由が侵害された場合に、国民が国家に対して積極的作為を要求し、救済を求めることができる権利であるとされています。

 国家に対して一定の作為を求めることができるとする点で、社会権とよく似ていますが、社会権は社会国家的思想に基づく、比較的新しい権利であるのに対して、

受益権は、国民の権利・自由を実質的に確保する権利であり、自由国家的思想に基づくもので、比較的古いタイプの権利であるという点に違いがあると一般にいわれています。

 憲法16条は以下のように規定しています。

「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」

 ここで規定されている権利を「請願権」と呼んでいます。

 ようするに、国家に対して要望を述べる権利ですが、

請願を受ける方には、受理する義務はあるが、その要望を必ず実現しなければならないわけでも、

調査・審理・判定・報告等までを必ずしなければならない義務があるわけでもないと考えるのが通説的見解になっています。

 また、国家に対する要望は、表現の自由による主張や選挙により、国家に対する救済は、行政不服申立や裁判によって実現可能であることから、

請願権の意義は現在においてはあまり重要ではなくなってきているともされています。

 一方で、表現の自由による主張や選挙等では拾いきれない民意があり、それを埋めるために、請願権には重要な意義がある(これを請願権の参政権的機能といったりします。)とする考えもあります。

 また、請願権は何人も有するとされており、法人やその他の団体、未成年者、外国人にも保障されると解されるところ、

原則的に参政権がないこれらの者にとっては、国家に対し、要望をすることができるとしている請願権は重要な意義があるとされています。

 ただし、暴力等の威嚇的方法にて請願する権利までは認められておらず(条文に平穏にとあるので)、これらの方法で請願した場合は、適正な請願権行使とは認められないということになります。

 時代劇なんかを見ていると、代官に

「お代官様、わしらのいうことを聞いてけろ!」

と人々が請願しているシーンがよくありますが、

その後、決まって、代官に「何を!切捨て御免だ!」とかいわれてあえなく、バッサリやられてしまいますね。

 まあ、そこまでのことは現代ではないとは思うのですが、請願したがために、嫌がらせを受けるという可能性はなきにしもあらずです。

 こういうことを防ぐために、憲法16条は、わざわざ「何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」ということも規定しています。

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 憲法32条は、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」と規定しています。

 これは、裁判を受ける権利を保障しているわけですが、今では当たり前に思えるこの権利も当たり前になったのは最近のことです。

 昔は、刑事裁判すらもせずに、捕まっていきなり処刑とかいうこともよくあったわけですね。

 もちろん、これでは国民はたまったものではありませんので、近代においては、重要な権利として「裁判を受ける権利」が憲法において保障されるに至ったということになります。

 受ける権利というと、「裁判を受けさせろ!」と作為を求めるつまり、受益権的性格が強いわけですが、

一方で、「刑事裁判をせずして、刑罰を科すな!」という自由権的側面もこの権利にはあり、

いわゆる「複合的権利」的な権利であるともいえます。

 32条が保障するものは、上記のような刑事裁判において被告人が公正な裁判を受ける権利だけではなく、

民事事件や行政事件について訴訟を提起できる権利も含まれています。

 また、裁判所は、国民が裁判を求めてきた場合にそれを拒否できないということも32条の趣旨ですが、この部分は「裁判拒絶禁止」と呼ばれています。

 だからといって、不適法な訴えまで、拒絶できないというわけではなく、適切でない訴えについては、却下したり拒否することは可能と解されています。

 32条で規定されている裁判とは、

憲法82条1項(裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。)

でいう裁判と同義であると解されるところ、

とすると、対審及び判決は公開法廷で行なわれなければならないということになります。

 となると、一般に非公開で行なわれる非訟事件

(民事関連事件に関し、通常の裁判とは異なる簡易な手続で処理がなされる事件類型:後見開始審判・失踪宣告・遺産分割等)

の裁判は、32条でいう裁判なのかどうかということが問題となります。

 この点については、32条は原則論をいっており、非訟事件処理のような一種の後見的行政サービス的なものについては、例外として公開としないこともでき、

非訟事件処理もやはり、32条でいう裁判であるとする「肯定説(通説)」と、

あくまでも32条でいう裁判とは82条1項でいう公開裁判であり、

非公開で行なわれる非訟事件処理は、32条上の裁判にはあたらないとする「否定説(判例:最大決昭32.7.6)」に考え方がわかれています。

 否定説は、32条上の裁判を、

純然たる訴訟事件につき

1.当事者の主張する、権利義務の存否を、

2.当事者の意思いかんにかかわらず、終局的に

3.事実を確定し、確認する裁判である。

として、このようなものは82条の公開裁判によるものとしています。

 しかし、非訟事件については、権利義務の存否を確定しない、

あるいは、

それを審理することはあっても、終局的判断をするわけではなく、別途当該存否を訴訟で争う方法がある場合には、

公開裁判による必要はなく、これらをどのような方法で裁判しようとも32・82条の問題は生じないとしたりしています。

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 憲法17条は以下のように規定しています。

「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」

 これが、国家賠償請求権に関する規定です。

 これについても、プログラム規定か抽象的権利か、それとも具体的権利かで争いがあるわけですが、抽象的権利であるとする抽象的権利説が多数説となっています。

 しかし、具体的立法として「国家賠償法」が実際に制定されていることから、最近はこの点につき議論されることは少なくなっています。

 また、国家賠償責任をどう解するについては、

公務員の故意・過失に基づく責任を前提として、

それを国家が代位するものとする

「代位責任説」が判例通説の立場となっています。

 ただ、この考え方だと、過失の認定が難しいものについては、被害者が救済されないのではないかという問題が発生するわけですが、

これについては、裁判実務上過失を緩やかに認定するという方法で対処しています。

 17条上の問題として、もうひとつ、国会等の立法行為や立法不作為が「公権力の行使」にあたるか否かが論点となりますが、判例は17条上の問題を生じせしめないとしています。

 

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 憲法40条は以下のように規定しています。

「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。」

 ここで規定されている権利を「刑事補償請求権」といいます。

 無罪になったということは、そもそも、抑留・拘禁される、いわれはなかったわけです。

 間違いであろうがなんであろうが、一旦逮捕等をされて抑留等されると、

逮捕されただけで犯人確定したかのような扱いがされる日本社会の風潮からすると、

あとで無罪判決を受けても、推し量ることのできないダメージを受けてしまいます。

 そこで、正当に抑留等がなされた場合であっても、無罪の裁判を受けた場合は、

国民は国家に対して被った損失の補償を請求できるとしたのが、この条文でこれを受けて「刑事補償法」が制定されています。

 40条で問題となるのが、不起訴となった場合にも、刑事補償請求権を認めるか否かです。

 一般に不起訴は無罪の裁判を受けたわけではないわけですから、刑事補償は必要ないと考えられています。

 ただ、判例(最大決昭31.12.24)は、この点につき、

「憲法第40条にいう「抑留又は拘禁」中には、たとえ不起訴になった事実に基く抑留または拘禁であっても、

そのうちに実質上は、無罪となった事実の取調のための抑留または拘禁であると認められるものがあるときは、

その部分の抑留および拘禁もまたこれを包含するものと解するを相当とし、

刑事補償法第1条第1項の「未決の抑留又は拘禁」とは右憲法第40条の「抑留又は拘禁」と同一意義のものと解すべきである。」

としています。

 なお、上記中の刑事補償法1条1項は以下のように規定しています。

「刑事訴訟法による通常手続又は再審若しくは非常上告の手続において

無罪の裁判を受けた者が同法、少年法又は経済調査庁法によつて

未決の抑留又は拘禁を受けた場合には、

その者は、国に対して、抑留又は拘禁による補償を請求することができる。」

 この規定に関連する事項につき、判例(最決平3.3.29)は、

「刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」とは、

同項及び関係の諸規定から明らかなとおり、

刑訴法上の手続における無罪の確定裁判をいうところ、

不処分決定は、刑訴法上の手続とは性質を異にする少年審判の手続における決定である上、

右決定を経た事件について、刑事訴追をし、又は家庭裁判所の審判に付することを妨げる効力を有しないから、

非行事実が認められないことを理由とするものであっても、

刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」には当たらないと解すべきであり、

このように解しても憲法40条及び14条に違反しない。」

と判示しています。

 なお、抑留・拘禁が、公務員の故意・過失による場合は、刑事補償請求権と国家賠償請求権の2つの権利にて損失補償ないし損害賠償が行なえるものと考えられますが、

この点につき刑事補償法5条は、

「この法律は、補償を受けるべき者が国家賠償法その他の法律の定めるところにより損害賠償を請求することを妨げない。

 補償を受けるべき者が同一の原因について他の法律によつて損害賠償を受けた場合において、
 
その損害賠償の額がこの法律によつて受けるべき補償金の額に等しいか、又はこれを越える場合には、補償をしない。
 
その損害賠償の額がこの法律によつて受けるべき補償金の額より少いときは、損害賠償の額を差し引いて補償金の額を定めなければならない。
 
 他の法律によつて損害賠償を受けるべき者が同一の原因についてこの法律によつて補償を受けた場合には、その補償金の額を差し引いて損害賠償の額を定めなければならない。」
 
と規定しており、いずれか一方で補償ないし賠償を受け、足らない場合は、他方で補償なしい賠償を受けることができるとしています。
 
 
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 今回は前回までの内容を正誤問題で確認してみたいと思います。

(憲法正誤問題)
 
以下の記述は、判例に照らして妥当か否か。

(平成15年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)


1.
「憲法第31条の定める法定手続の保障は、直接には刑事手続に関する規定であるが、行政手続についても、刑事手続と同様に本条の保障の枠内にあり、行政処分によってその相手方の権利を侵害するおそれがある場合には、当該処分により達成しようとする公益の内容・程度を問わず、当該処分の相手方に事前の告知、弁解、防御の機会を与える必要がある。」

(引用終わり)

(平成11年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)

2.
「憲法第37条第2項により、被告人はすべての証人に対して審問をする機会を十分に与えられることが保障されているから、裁判所は被告人申請の証人をすべて喚問しなければならない。」

3.
「憲法37条第2項により、被告人は、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有しており、有罪判決においても証人喚問に要した費用を被告人に負担させてはならない。」

4.
「憲法第38条第1項の趣旨は、何人も自己が刑事責任を問われるおそれのある事項について供述を強要されないことを保障したものであるから、自己の氏名は、原則として不利益な事項に該当しない。」

(引用終わり)

(平成9年度国家公務員1種試験憲法科目より以下引用)

5.
「憲法第39条の一事不再理の原則は、何人も同じ犯行について2度以上罪の有無に関する危険にさらされるべきではないという根本思想に基づくものであるが、下級審の無罪判決に対し検察官が有罪判決を求めて上訴することは、被告人を二重の危険にさらすものではなく、憲法第39条に違反しない。」

(引用終わり)

(平成13年度労働基準監督官試験憲法科目より以下引用)

6.
「憲法第33条の令状主義の趣旨は、捜査権力が逮捕権を濫用し不当な逮捕を行なうことを抑制しようとするものであることから、本条の「権限を有する司法官憲」とは裁判官のみをいい、検察官及び警察官は含まれない。」

7.
「憲法第37条第1項では迅速な裁判を受ける権利を保障しているが、その意味は迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法及び司法行政上の措置を設けるべきことを要請したものであり、本条により直接に被告人を救済することはできないとするのが判例である。」

(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

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正解は以下です。


正解:

1. 妥当ではない。

 31条は行政手続にも準用(通説)、類推適用ないし直接適用(有力説)されるとするのが一般的見解です。

 判例(最大判平4.7.1)も、憲法31条が一定の場合に、行政手続に準用ないし適用されるとしておりますが、

常にされるわけではなく、

(よって刑事手続と同様というわけではありません。)

また、準用ないし適用される場合であっても、

行政処分によって制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、当該制限によって達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量し、

行政処分の相手方に事前告知・弁解・防御の機会を与えるか否かを決定されるべきと判示しています。

 問題文は「刑事手続と同様に」「公益の内容・程度を問わず」とあり、上記判示と相反する内容ですから、妥当ではありません。
 
2. 妥当ではない。


 判例(最大判昭23.7.29)は、裁判上、必要適切な証人だけを喚問すればよく、被告人が申請した全ての証人を喚問する必要はないとしています。よって選択肢2の内容は妥当ではありません。

3.妥当ではない。

 有罪判決を受けた被告人に証人喚問に要した費用負担を命ずることは差し支えないとするのが判例(最判昭23.12.27)の立場です。よって選択肢3の内容は妥当ではありません。

4.妥当である。

 判例(最大判昭32.2.20)は、氏名は憲法第38条第1項でいう不利益な事項ではないとしています。

5.妥当である。

 判例(最大判昭25.9.27)は、39条上の「既に無罪とされた」という文言を、下級審判決ではなく、確定された無罪判決ととらえ、ゆえに上訴は憲法に違反しないとしています。

6.妥当である。

 憲法33条における「司法官憲」とは、裁判官のことを指します。検察官及び警察官は含まれません。

33条は、犯罪捜査機関に対して、裁判官がチェック機能を果たすことにより、国民の人身の自由を保護しようとする趣旨の条文ですから当然だということになります。

7.妥当ではない。


  判例(最大判昭47.12.20)は、

「憲法37条1項は、単に迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法上および司法行政上の措置をとるべきことを要請するにとどまらず、さらに個々の刑事事件について、現実に右の保障に明らかに反し、審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判をうける被告人の権利が害せられたと認められる異常な事態が生じた場合には、その審理を打ち切るという非常救済手段がとられるべきことをも認めている趣旨の規定である。」

と判示しており、選択肢7問題文のような、

「抽象的権利説ないしプログラム規定説」の立場にはなく、

37条1項により直接に被告人を救済することができるとする「具体的権利説」の立場にあります。

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被告人の権利

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 憲法37条1項は、以下のように規定しています。

「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」

 これは起訴後の被告人には「迅速な裁判」を受ける権利があるということを規定しているわけですが、

37条1項でいう公平な裁判とは、

判例(最大判昭23.5.5)によると、

「構成其他において偏頗(へんぱ)の惧なき裁判所(裁判官の除斥、忌避及び回避制度等がある)の裁判という意味である。」

とされています。

 また、公開裁判とは、憲法82条1項で定める「対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ」裁判をいうとされています。

 37条1項に関する論点としては、

「迅速な裁判を受ける権利」が、プログラム規定であるのか、抽象的権利であるのか、具体的権利であるのかという問題があります。

 プログラム規定であるとする論者は、上記権利は、確かに憲法上の基本的人権ではあるが、

そもそも適正な裁判をしようと思ったら時間がかかるものだし、

何を持って迅速であるのかよくわからない、

また刑事訴訟法に

「迅速な裁判を受ける権利」に関する規定がないこと等を理由に、

37条1項は、当該権利を一般的に保障するために必要な立法上及び司法行政上の措置を要請するものに過ぎないとします。

 しかし、基本的人権であると認めながらも、刑事訴訟法という憲法よりも下位にある法律に定めがないからといって、

抽象的ないし具体的権利性を認めないのもおかしな話です。

 そこで、通説は、著しい審理の遅延があり、被告人の権利侵害があると認められるような異常な事態が発生したような場合については、

憲法37条1項を直接の根拠として、

刑事訴訟法337条4号の規定に基づく「免訴判決」(同法338条4号に基づく「公訴棄却判決」によるべきであるとする説もあります。判例は免訴判決によるものとしています。)

によって審理を打ち切るべきであるとする「具体的権利説」の立場にあります。

 判例(最大判昭47.12.20)も同趣旨の立場にあり、

「憲法37条1項は、単に迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法上および司法行政上の措置をとるべきことを要請するにとどまらず、さらに個々の刑事事件について、現実に右の保障に明らかに反し、審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判をうける被告人の権利が害せられたと認められる異常な事態が生じた場合には、その審理を打ち切るという非常救済手段がとられるべきことをも認めている趣旨の規定である。」

と判示しています。

 さらに判例は、なにをもって遅延しているとするのかについては、

「具体的刑事事件における審理の遅延が迅速な裁判の保障条項に反する事態に至つているか否かは、遅延の期間のみによつて一律に判断されるべきではなく、遅延の原因と理由などを勘案して、その遅延がやむをえないものと認められないかどうか、これにより右の保障条項がまもろうとしている諸利益がどの程度実際に害せられているかなど諸般の情況を総合的に判断して決せられなければならず、事件が複雑なために、結果として審理に長年月を要した場合はもちろん、被告人の逃亡、出廷拒否または審理引延しなど遅延の主たる原因が被告人側にあつた場合には、たとえその審理に長年月を要したとしても、迅速な裁判をうける被告人の権利が侵害されたということはできない。」

としています。

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 憲法37条2項は、

「刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。」

と規定しています。

 検察側が証人に証言させるのはいいのですが、被告人が一切その証人に反対尋問ができないということになると困りますね。

 被告人にとって不利なことをベラベラとしゃべられ、それについて被告人が一切反論できないという裁判は決して公平なものとはいえません。

 そこで37条2項前段は、被告人に反対尋問の機会が与えられなかったような場合の証人の証言に関しては証拠能力は認めませんという趣旨の内容だと解されています。

 刑事訴訟法(320条1項)上の伝聞証拠禁止の原則

(伝聞(また聞き)による証拠は、証拠能力が認められないとするもの)

は37条2項前段に基づくものであるとされています。

 2項後段は、被告人にとって有利な証人の喚問ができる権利を保障するものであるとされています。

 ただ、判例(最大判昭23.7.29)は、この場合であっても、裁判上、必要適切な証人だけを喚問すればよく、被告人が申請した全ての証人を喚問する必要はないとしています。

 また、公費でとありますが、有罪判決を受けた被告人に訴訟費用負担を命ずることは差し支えないとする考え方が一般的です。

 なお、これらの権利は被疑者には認められないと解されています。

 証人について、

学説は、

37条2項前段上の証人とは「被告人に不利な証人」、同条同項後段の承認は「被告人にとって有利な証人」を指すと考え(実質的意義の証人)、

当該証人が法廷内で証言するしないに関わらず、法廷外でなされた供述に対しても、被告人の反対尋問権は保障されるとします。

 しかし、判例は、宣誓して証言する者(形式的意義の証人:つまり法廷で証言する証人)をいうとし、

法廷外でなされた供述に対する被告人の反対尋問権については原則的に認めないという立場にあります。

 もし、法廷外でなされた供述に対し、尋問したいのであれば、37条2項後段で、当該供述をした人を引っ張ってきて尋問すればいいだけの話なので、

法廷外でなされた供述に対する被告人の反対尋問権をわざわざ認める必要はないとするのがその理由になります。

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 憲法38条2項は、「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。」と規定しています。
 
 また、同条3項は、「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。」と規定しています。

 これにより、自白の証拠能力・証明力が制限され、38条1項の「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」という権利の保障の確実性を高め、冤罪の温床となる強引な捜査を防止しようとしています。

 なお、同条に関連し、判例(最大判昭23.7.29)は、「公判廷における任意の自白は、憲法38条3項上の「本人の自白」には含まれない。」としています。
 
 憲法39条は、「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。」と規定しています。

 同条前段前半部分は、事後法の禁止ないしは遡及処罰の禁止と呼ばれています。

 今、成年者ならお酒は飲めますね。

で、皆さんが今飲んでいるとします。

ところが、将来禁酒法ができ、当該禁酒法で、過去の飲酒歴を罰せられるということになるとたまったものではありませんね。

 将来の未知の法律により現在が制約されるとするならば、私達は今、何もできなくなります。

 石のように固まって毎日を過ごさなければなりません。

 そんなバカな話はありませんから、遡及処罰の禁止は当然のことといってよいことでしょう。

 また、この原則は罪刑法定主義の内容でもあり、憲法31条とも被る部分でもあります。

 同条前段後半部分については、

一事不再理(被告人にとって不利な内容に、一度「確定」した判決を変更することの禁止:大陸法的な発想)

を定めているという見解と、

二重の危険(同じ犯罪につき再度刑事裁判を受けること:英米法的な発想:ダブル・ジョパディー:Double- Jeopardy:トワイス・ジョパディー:Twice Jeopardy)の禁止を定めているという見解とに分かれます。

 また同条後段も、同じく一事不再理を定めたものだ、二重の危険の禁止ないし二重処罰の禁止(ひとつの犯罪につき重ねて刑事上の責任を問わない)を定めたものだという見解に分かれています。

    39条前段後半       39条後段


1.説  一事不再理       一事不再理
2.説  一事不再理      二重処罰の禁止
3.説 二重の危険の禁止   二重の危険の禁止

 どの説をとるかで違いが出てくるのは、検察官による上訴(控訴等)が違憲か否かという議論においてです。

 例えば上記1.説(一事不再理説)によると、上訴は合憲と解され、ところが、3.説(二重の危険説)によると違憲となる可能性があります。

 英米法では、二重の危険禁止原則に基づき、上訴は禁止され、下級審の陪審裁判に対する判決に対して検察官が有罪ないしより重い刑の判決を求めることは禁止されているからです。

 しかしながら、判例(最大判昭25.9.27)は、39条上の「既に無罪とされた」という文言を、

下級審判決ではなく、確定された無罪判決

(控訴されなかった第一審判決、上告されなかった第二審判決、上告審判決)

ととらえ、ゆえに上訴は憲法に違反しないとし、以下のように判示しています。

「元来一時不再理の原則は、何人も同じ犯行について、二度以上罪の有無に關する裁判を受ける危険に曝さるべきものではないという根本思想に基くことは言うをまたぬ。

そして、その危険とは、同一の事件においては、訴訟手続の開始から終末に至るまでの一つの継続的状態と見るを相当とする。

されば、一審の手続も控訴審の手続もまた、上告審のそれも同じ事件においては、継続せる一つの危険の各部分たるにすぎないのである。

従って同じ事件においては、いかなる段階においても唯一の危険があるのみであつて、

そこには二重危険(ダブル、ジェバーディ)ないし二度危険(ワイス、ジェバーディ)というものは存在しない。

それ故に、下級審における無罪又は有罪判決に對し、検察官が上訴をなし有罪又はより重き刑の判決を求めることは、

被告人を二重の危険に曝すものでもなく、従ってまた憲法第39条に違反して重ねて刑事上の責任を問うものでもないと言わなければならぬ。」

 これによると、39条前段後半・39条後段の解釈を「一事不再理説」・「二重の危険説」等いずれの立場によるとしても結論としては大差がなくなることになります。

 なお、刑事事件における再審

(一定の要件を満たす重大な理由がある場合に、確定判決につき再審理を行なうこと:刑事訴訟法435条以下)

は、

「有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。」となっており、

これはまさに、一事不再理原則の表れといえます。

 39条の「重ねて刑事上の責任を問わない」(二重処罰禁止)という部分で問題となるのが、以下のような論点です。

 一事不再理は、再度の公訴提起を許さないという観点からの考えですが、二重処罰禁止は、二重に罰を科せられないという観点からの考えです。

 ゆえに二重処罰禁止の観点からみた場合、刑罰と行政上の秩序罰が重複した場合に許されるか否かという問題が浮上します。

 結論からいうと、学説は重複しても問題ないと考えています。

 なぜなら、39条は「重ねて「刑事上」の責任を問われない」という文言になっており、行政の秩序罰は、刑事上の責任とはいえないからというのが理由になります。

 判例(最判昭39.6.5)も、「両者は目的、要件及び実現の手続を異にし、必ずしも二者択一の関係にあるものではなく併料を妨げないと解すべき」であるとしています。

 また、判例(最大判昭33.4.30)は、加算税と罰金刑との併料についても、ほぼ同様の理由により、併料は認められると解しています。

 行政書士試験には刑事法は出題されず、刑事手続に関することもなじみが薄いので、受験生にとっては、日本国憲法上の刑事手続上の権利保障に関する規定はハードに感じるかもしれません。

 しかし、受験生のほとんどが苦手とする部分ですから、逆に得意にしてしまえば、有利になるかと思います。

 日本国憲法上における刑事手続上の権利保障については、ここまでみてきたように非常に詳細に定められています。

これは、世界に類をみないことで、他国憲法ではここまで詳細な規定は置かれていません。

 それだけ、戦前の刑事手続上における人権侵害が酷く、その反省から日本国憲法ではここまでの規定が置かれるようになったということです。

 被疑者となっただけで、まだ逮捕や起訴すらされてない段階から、犯人確定のような扱いをする風潮が日本には今だ見られるわけですが、

日本国憲法には詳細な刑事手続上の権利保障が置かれても、人々の刑事手続上の人権意識はまだ熟成されていないような気もしないでもないです・・。

 しかし、行政書士は刑事告訴・告発業務に携わることもある職能ですので、薄い刑事手続上の人権意識しかないということではとても困るものだと思います。

 実務に就くことを考えてらっしゃる方は、この分野(刑事法分野)についても精通しておく必要があるわけですが、

まずは刑事訴訟法の基礎でもある憲法の刑事手続上の権利保障規定についても、しっかりと学習しておくことをお勧めいたします。

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被疑者の権利

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 犯罪を犯したと捜査機関から疑われている者で、今だ起訴

(この場合、公訴提起を指す。:公訴提起とは、検察官が特定刑事事件につき、裁判所の審判を求める行為をいう。)

されていない者を「被疑者」といいます。

対して、起訴されている者は「被告人」といいます。

 憲法33条以下は、この「被疑者」及び「被告人」の権利につき、規定しています。

 憲法33条は以下のように規定しています。

「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。」

 同条における「司法官憲」とは、裁判官のことを指します。

 33条は、犯罪捜査機関に対して、裁判官がチェック機能を果たすことにより、国民の人身の自由を保護しようとする趣旨の条文であるとされています。

 ただ、現行犯逮捕の場合は、

1.通常、裁判官から令状を取る暇がないこと、

2.現行犯罪ですから、誤認逮捕のおそれが少ないこと、

3.現行犯罪の場合は、逃亡や証拠隠滅の可能性が高い

等の理由により、令状なくして逮捕できる、つまり令状主義の適用が排除されています。

 刑事訴訟法210条1項には以下のような規定があります。

「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。」

 この場合の逮捕様式を「緊急逮捕」といいますが、この緊急逮捕が、憲法33条に違反しないか否かという論点があります。

 憲法33条は現行犯の場合のみが令状主義の例外であると読める書き方をしているため、

現行犯逮捕ではない緊急逮捕はじゃあどうなのかということで問題になるわけですね。

 判例(最大判昭30.12.14)及び通説は、理由は異なるのですが、結論としては、刑事訴訟法210条1項のような現行犯逮捕に準ずるレベルの厳格な制約の下での緊急逮捕は合憲であるということで一致しております。

 33条関連ではあと、「別件逮捕・勾留」(以下、別件逮捕等という)の問題があります。

 別件逮捕等とは、証拠が万全な軽微な犯罪で、被疑者の身柄を拘束し、証拠が揃っていないより重大な犯罪(本件)の自白を得ようとする捜査方法のことをいいます。

 学説は別件基準説と本件基準説(通説)に分かれており、前者は、当該別件の逮捕等の理由と必要性を具備しているのであれば、本件に関する取調べをしても適法であると考えます。

 通説である後者の本件基準説は、別件逮捕をした上で、逮捕等の要件を満たしていない本件の取調べを行なうことは違法であるとします。

 捜査機関の取調べが、本件基準説に基づいて違法となる本件の取調べであるか否かは、

1. 本件と別件の犯罪としての重さの差、関連性があるのか否か、

2. 全取調べ時間中の本件に関する取調べ時間の割合等の取調べ状況、

3. 捜査が当初から本件の立件を目指すものであり、枝葉の別件と並行して行なわれていたか否か、

等を総合的に考慮して判断すべきであると本件基準説では考えます。

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 憲法34条は以下のように規定しています。

「何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。

又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。」

 同条における「抑留」(起訴前のもの)とは、一時的身体拘束を指し、「拘禁」(起訴前・起訴後のものがある)とは長期に及ぶ身体拘束を指すとされています。

 抑留・拘禁は人身の自由制約の典型的なものですが、34条は、それらにつき、

1.理由告知が必要であること

2.弁護人依頼権

3.拘禁に関して正当理由が必要であることないし要求があった場合にそれを公開法廷で明示しなければならないこと

を定めています。

 身体拘束は、刑事手続以外の行政手続でも場合によっては行なわれます。

 例として、麻薬取締法(58条の8以下)や感染症法(19条)上の強制入院措置等があります。

 学説には、これらの場合にも、33条や34条を準用し、人身の自由を保障すべきであるとする説があります。

!~(=^‥^)ノ■

 憲法35条は以下のように定めています。

「何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。」
 
 いわゆる住居不可侵の原則ですが、これは古典的人権といわれています。
 
 ということは、市民革命以前は権力者が平気で人のうちの中にズカズカと入ってくる場合が多かったということなのでしょうね。ヾ( ̄。 ̄*)
 
 住居不可侵は、人身の自由という側面とともに、当たり前ですがプライバシー権としての側面もあります。
 
 本条についても、行政手続に適用されるか否かが問題となりますが、
判例(最大判昭47.11.22)は、
 
「刑事責任追及を目的とするものではないとの理由のみで、当然に35条の保障の埒外とはならない」
 
とし、一般論としてですが、35条の行政手続への適用可能性を肯定しています。
 
 
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 憲法36条は以下のように定めています。

「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」

 上記拷問には肉体的苦痛を伴うものだけではなく、精神的苦痛を伴うものも含まれます。

 絶対禁止ですから、いかなる例外も認められません。

 戦前は自白を取るために公然と拷問を行なうという事実があったわけですが、その反省からこの条文前段が規定されました。

 36条前段をさらに強化するために、38条2項、3項で自白の証拠能力や証明力の制約を行なっています。

 残虐な刑罰とは、判例(最大判昭23.6.30)によると

「不必要な精神的、肉体的苦痛を内容とする人道上残酷と認められる刑罰」

のことであるとされています。

 これに関しては、死刑が残虐な刑罰にあたるか否かが問題となるわけですが、

判例(最大判昭23.3.12)は、憲法13条後段が、

「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と定め、

憲法31条が、

「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」

と定めているが、これらを反対解釈をすると憲法は死刑の存在を前提としていると考えられる等を理由として、

死刑そのものは残虐な刑罰にあたらないとしていますが、死刑廃止論も学説上有力であり、今も激しい議論が続いています。

( ・_・ ゞ-☆

 憲法38条1項は、以下のように規定しています。

「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」

 これは、アメリカ合衆国憲法修正5条に由来する「自己負罪拒否特権」に相当するものであるとされています。

 判例(最大判昭32.2.20)は、氏名は上記でいう不利益な事項ではないとしています。

 ですが、氏名が犯人特定事項となる場合は、氏名についても不利益事項となり、

38条1項の保障が及ぶとするのが学説上、多数説となっています。

 38条1項も、行政手続に適用されるか否かが問題となるわけですが、判例(最大判昭47.11.22)は、

「憲法38条1項による保障は、純然たる刑事手続以外においても、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続にはひとしく及ぶものである。 」

としています。

 なお、38条1項は、被疑者だけではなく、被告人にも保障される権利であると解されています。

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適正手続(due process of law)

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 憲法31条は次のように規定しています。

「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」

 この条文は、アメリカ合衆国憲法修正第5条、14条に由来する適正手続(due process of law)を定めたものだと一般にいわれています。

在日アメリカ大使館HP:2007年・9月6日 pm3:30現在 参照)

 権力を持つ者には、擦り寄ってくるコバンザメのような輩も多ければ、反対勢力も多いものです。

 コバンザメの方は権力者を気分よくしてくれる存在ですからいいとしても、

良いことしても、悪いことしても、何にかにつけいちゃもんつける反対勢力の方は、権力者側から見れば、うっとしいことこの上なく、

また昔の権力者はその地位を武力で手に入れたものがほとんどでしたから、

逆らうならば問答無用で切り捨て、ちゃんとした裁判も何も、無しに断罪することが多かったようです。

 つまり、権力者に気に入られなければ、反論も聞かれずに、理由も告げられずに切り捨てごめんされる可能性もあるというむちゃくちゃな場合があったわけですね。

 これでは国民は安心して暮らすことができず、また権力者に対する憎悪はつのるばかりで、

こんな感じで虐げられた国民が何か拍子に力をつけると、その刃は権力者にも向けられ、倒し倒されの動乱の世の中になってしまいます。

 この悪循環の元を断つためには、「逆らうならば問答無用で切り捨てごめん」という態度を権力者が改め、

やむを得ず国民に刑罰を科す場合は、適正な手続の下で行なう必要があるわけですが、

このことにいち早く気付いたのがイギリスの人達です。

 イギリスでは、1215年に制定されたマグナ・カルタ39条が、

「自由人は、同輩の合法的判断(裁判)又は国法によらなければ、逮捕・監禁・差押・追放その他どんな形によるにあれ、侵害されることはない。」

(No freemen shall be taken or imprisoned or disseised or exiled or in any way destroyed, nor will we go upon him nor send upon him, except by the lawful judgment of his peers or by the law of the land.) 

と定めていました。


 この考えが、後に自然法理論等と結びつき、アメリカに継受され、アメリカ合衆国憲法修正第5条、14条として具現化し、

さらには日本国憲法31条にも影響を与えることとなっています。

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 31条の根本的趣旨は、上記のような歴史的沿革を鑑みると、

国民の個人としての尊厳や自由を守るために、

国家による恣意的な刑罰権の行使を排除するというところにある

と考えることができます。

 しかし、31条を素直に読めば、

刑事事件に関する手続法(刑事訴訟法)を法律で定めて、

そこに定める手続によらなければ刑罰を科せられないということだけを、定めているような感じを受けないでもありません。

 つまり、刑罰を科すための手続だけを法定すればよく、

法律で定めさえすればその手続法の内容の適正は問わず、

また犯罪や刑罰の要件を定める法律(実体法:具体的には刑法)の制定やあるいはまた実体法の内容の適正は問わないというように読めます。

 しかし、それでは、国家による恣意的な刑罰権の行使を排除するという31条の根本趣旨に適わないことになります。

 例えば、手続を法定したはいいけれども、その内容が、「国王付属巫女が振る棒が指した先にある者を有罪とする。」とかいうようなはちゃめちゃな手続法だったら意味がありませんね。

 恣意的な刑罰権行使を排除することができません。

 なので、手続法は、

1.逮捕理由等を告げられる(理由がわからなければ反論や弁解ができません)、

2.弁解できる、

3.裁判で防御の機会を得ることができる等

のちゃんとした内容が定められていなければならないと考えることができます。

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 また、適正な内容の手続法が定められていたとしても、

実体法がないとか、

あってもむちゃくちゃな内容のものであれば、

これまた同じく恣意的な刑罰権行使を排除することができませんので、

実体法の法定(罪刑法定主義)と

その内容の適正(刑罰規定の明確性、罪刑の均衡、刑罰の謙抑主義等)

も憲法31条で担保されなければならないと考えられます。

 以上より、憲法31条は、単に刑事手続の法定のみを求めるものではなく、

1. 定められた手続法の内容の適正(告知・弁解ないし弁護・防御の機会の付与等:参考判例 最大判昭37.11.28)

2. 実体法の法定(罪刑法定主義)

3. 実体法の内容の適正(刑罰規定の明確性、罪刑の均衡、刑罰の謙抑主義等)

 をも、担保されなければならないということを定めたものであると一般に解され、そしてそう解することが通説的見解ともなっています。

 次にこの31条に関しては、これが刑事手続だけではなく、行政手続にも及ぶのか否かという問題が重要論点となっています。

 31条は行政手続にも準用(通説)、類推適用ないし直接適用(有力説)されるとするのが一般的見解ですが、

判例(最大判平4.7.1)も、

一定の要件

(行政処分によって制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、

当該制限によって達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量し、

行政処分の相手方に事前告知・弁解・防御の機会を与えるか否かを決定されるべきと判示している。)

の下で、

憲法31条が行政手続に準用ないし直接適用されるとしており、

また31条を行政手続上において具現化する趣旨のもとで制定されたと考えられる法律として「行政手続法」があります。

 つまり、憲法31条は、「行政手続法」の、

母なる源でもあるわけです・・。 J( ´ー`)('ο` )).。oO

 

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人身の自由

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 このブログでは、憲法とりわけ、人権編を中心にみてまいりました。

(対して上記メルマガは、基礎法学・行政法・民法を中心に構成しています。)

 そして、様々な国家からの自由(自由権)に関する憲法上の規定を確認してきたわけですが、

あらゆる自由の基礎になるのが、「人身の自由」です。

 奴隷的拘束を受けているとか、意に反する苦役に服されている状態であると、

表現の自由等のあらゆる自由が成立しないということになるからです。

 また、身体が拘束されるという状態が、もっとも、人間の尊厳を傷つけるものです。

 個人の尊厳を最高価値とする日本国憲法下においては、当該尊厳を尊重する上でも、なによりもまず、厳守しなければならない自由権規定が人身の自由に関する諸規定だということにもなります。

 憲法18条は以下のように規定しています。

「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」

 この規定は、憲法31条と並んで、人身の自由に関する総則的規定だといわれています。

 この憲法18条の条文は沿革的には、アメリカ合衆国憲法修正13条第一節に由来するといわれています。

(以下、http://japan.usembassy.gov/j/amc/tamcj-071.html (在日アメリカ大使館HP:2007年・9月5日 pm2:30現在) より引用)

「奴隷および本人の意に反する労役は、当事者が犯罪に対する刑罰として正当に有罪の宣告を受けた場合以外は、合衆国内またはその管轄に属するいかなる地域内にも存在してはならない。」

(引用終わり)

 米合衆国憲法等と日本国憲法とを比較するという比較法学的な問題は過去何度も出題されていますので、18条に関連して、上記合衆国憲法修正13条についても確認しておくとよいかと思います。

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 さて、18条で禁止されている「奴隷的拘束」とは何かということですが、

通常、「人の身体を拘束し、かつ当該被拘束人のあらゆる人権を否定し、非人道的状態下に置くこと。」

等とされています。

 こういう拘束が許されるとなると、個人の尊厳も何もあったものではないですね。もちろん、他の自由もありえない。

 ゆえに、奴隷的拘束は絶対的に禁止されます。

 18条後段の「意に反する苦役」と違い、犯罪処罰としても許されませんし、本人の同意があっても、ダメです。

 奴隷的拘束をされないことは、絶対的な自由ですからですから、内在的制約や公共の福祉によっても制約はされません。

 また、18条は私人間にも効力を及ぼすため、私人間で奴隷的拘束があった場合(人身売買等)も、18条違反となります。

 

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 次に18条後段部分の「意に反する苦役」ですが、

これは、

1.平均的な人を基準として考えた場合に、

2.通常以上に苦痛と思われる任務

をいいます。

 これを「犯罪処罰の場合」を除いて禁止するというのが後段の趣旨です。

 ですから、「奴隷的拘束」と違って、こちらは絶対的なものではなく、

意に反する苦役をさせられない自由は、一定の場合には制約することも可能ということになります。

 懲役刑で課せられる労働の強制は、上記犯罪処罰の場合に該当し、許されると解されています。

 また、適切な治療や、隔離目的の保安処分や,

災害時において、警察、消防等の執行機関に、救援活動に従事するよう命令することも、

さらには一定の要件の下、住民に災害救助等に関する業務に協力させることも、

通常18条違反とはならないと解されています。

 徴兵については、憲法の平和主義の下、国民に兵役義務があるとは考えられないとするのが通説の立場なので、

徴兵制は、憲法18条に違反すると解するのが通常です。

 もちろん、18条後段も、私人間適用されるため、私人間において意に反する苦役を課すことも当然ながら禁止されるということになります。

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憲法正誤問題(勤労の権利・労働基本権)

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 今回は前回までの内容を正誤問題で確認してみたいと思います。

(憲法正誤問題)

 憲法第27条の勤労の権利及び第28条の労働基本権に関する以下の記述は、判例に照らして妥当か否か。

(以下、平成18年度新司法試験短答式試験公法系科目第4問(NO.10)より引用)


1.
「労働組合の組合員に対する統制権は,労働者の団結権保障の一環として,憲法第28条の精神に由来するものであるが,労働組合が,公職選挙における統一候補を決定し,組合を挙げて選挙運動を推進している場合であっても,組合の方針に反して立候補した組合員を統制違反として処分することは,労働組合の統制権の限界を超えるものとして,違法といわなればならない。」


2.
「労働組合への加入強制の方式の一つとして採用されているユニオン・ショップ協定のうち,使用者とユニオン・ショップ協定を締結している組合(締結組合)以外の他の組合に加入している者や,締結組合から脱退・除名されたが他の組合に加入し又は新たな組合を結成した者について,使用者の解雇義務を定める部分は,労働者の組合選択の自由や他の組合の団結権を侵害するものであり,民法第90条の規定により無効と解すべきである。」


3.
「憲法は,勤労者の団体行動権を保障しているが,勤労者の争議権の無制限な行使を許容するものではなく,労働争議において使用者側の自由意思をはく奪し又は極度に抑圧し,あるいはその財産に対する支配を阻止し,私有財産制度の基幹を揺るがすような行為をすることは許されない。いわゆる生産管理において,労働者が,権利者の意思を排除して企業経営の権能を行うときは,正当な争議行為とはいえない。」


(引用終わり)


(平成11年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)


4.
「憲法第28条の労働基本権の保障により、正当な争議行為は刑事制裁の対象とはならないが、同条は私人間の関係には直接適用されないから、債務不履行責任又は不法行為責任までも免責するものではない。」


5.
「憲法第28条の保障する労働基本権は、当該権利を制限するような立法その他の国家行為を国に対して禁止するという自由権としての性格を有するが、国に対して労働者の労働基本権を保障する措置を要求し、国は当該措置を講ずべき義務を負うという社会権としての性格は有しない。」


6.
「使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない政治目的のための争議行為であるいわゆる純粋政治ストであっても、憲法第21条の表現の自由の保障を受けるほか、憲法第28条の労働基本権の保障を受ける。」


(引用終わり)


(平成14年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)


7.
「自ら業を営む農業者や漁業者は、使用者に労働力を提供し、その対価として賃金を得る者ではなく、使用者に対して対抗関係に立つ者ではないから、憲法第28条にいう「勤労者」には含まれない。」


8.
「国家公務員は、人事院の給与勧告等により、労働基本権制約の代替措置が講じられているから、憲法第28条にいう「勤労者」には含まれないとするのが判例である。一方、地方公務員については、同条の「勤労者」に含まれると解するのが通説である。」


9.
「労働者の団結権の保障には、労働者が使用者と対等に交渉を行なうために団体を結成する自由やそれに労働者が参加する自由とともに、労働者がそのような団体に参加しない自由を制限することは許されないという趣旨が含まれると解するのが通説である。」


(引用終わり)


(平成15年度東京都公務員砧犹邯碍法科目より以下引用)


10.
「勤労の権利とは、労働の意思と能力を有する者が国に対して労働の機会の提供を要求する権利であるが、労働の機会を得られない者が相当の生活費の支払いを請求する権利までをも含むものではない。」


11.
「憲法は、賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は法律で定めるとしているが、契約自由の原則から、法定基準に達しない労働条件を定めた労働契約は、違法であっても効力は失われない。」


12.
「団結権は、労働者が適正な労働条件の確保を目的として団体を結成する権利をいい、結成された団体自体の自由の保障を含むため、団体内部の問題に使用者が不当に介入することは許されない。」


(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。


正解:


1. 妥当である。

 前回確認した判例(最大判昭43.12.4:いわゆる三井美唄炭鉱労組事件)の判示どおりの内容で妥当です。

2.妥当である。

 判例(最判平1.12.14:いわゆる三井倉庫港運事件)の判示に基づくものであり妥当です。


 ユニオン・ショップ協定等による労働組合に加入しない自由(消極的団結権)の制約は許されるとするのが通説の立場ですが、

ただ労働者が労働組合に一旦加入したけれども、脱退したいという場合、他の労働組合に入り直す、あるいは自ら新しい組合を結成する等であれば、

脱退の自由はあると通常解されています。

 また、労働者には、自らの団結権を行使するため労働組合を選択する自由があり、

ユニオン・ショップ協定を締結している労働組合(以下「締結組合」という。)の団結権と同様、

同協定を締結していない他の労働組合の団結権も等しく尊重されるべきであるから、

締結組合から脱退・除名されたが他の組合に加入し又は新たな組合を結成した、

あるいは締結組合以外の他の組合に労働者が加入している場合にも解雇ができる、

とする協定条項については解雇権の濫用となり、民法90条に基づき無効となると解されています。

3.妥当ではない。

 判例(最大判昭25.11.15:いわゆる山田鋼業事件)の要旨に基づく内容であり妥当です。


 現行の法律秩序は私有財産制を基幹として成り立っていて、

企業のリターンとリスクは共に資本家すなわち企業の所有者に帰します。

生産管理とは企業経営の権能を所有者の意思を排除して企業の非所有者である労働者が行なうものですが、

企業経営のリスクを負わない労働者が見返りだけを求めて生産管理を行なうがごとくはいくらなんでも行き過ぎだということですね。

ゆえに生産管理は正当な争議行為とはいえないとされています。

4.妥当ではない。

 前回確認しましたように、28条は私人間に直接適用されます。

ゆえに正当な争議行為であるなら刑事免責のみならず民事免責、つまり債務不履行責任や不法行為責任も免責されるということになります。

5.妥当ではない。


 28条には自由権的側面のみならず社会権的側面もありましたね。

 ゆえに社会権的側面は有しないとする選択肢5.は妥当ではありません。

6.妥当ではない。

 判例(最大昭48.4.25:いわゆる全農林警職法事件判決)の要旨に反し、妥当ではありません。

 同判例では、使用者に対する経済的地位向上要請とは無関係の警職法改正反対のような政治目的のためにストライキ等の争議行為を行なうがごときは憲法28条の保障の下にはないとしています。


7.妥当である。

 自ら業を営む農業者や漁業者等は、憲法第28条にいう「勤労者」、そしてこれと同義の労働組合法でいう「労働者」には含まれないと解されています。

8.妥当ではない。

 勤労者(労働者)とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者であるとされています。

いわゆるサラリーマンのことですが、職業の種類を問わないわけですから、民間企業のサラリーマンであろうが公務員であろうが、賃金等によって生活する者であるならば勤労者となります。

 ゆえに国家公務員であろうが、地方公務員であろうが勤労者ということになります。

 公務員の労働基本権が制約されるという問題と勤労者に公務員が含まれるか否かの問題は別問題です。

9.妥当ではない。

 労働組合に参加しない自由(消極的団結権)の制約は許されるとするのが通説の立場です。

10.妥当ではない。

 27条1項上の、「勤労の権利」の社会権的側面は、国民が国家に対して、

「就労の機会を提供せよ!それができないのなら、失業している間の生活を保障せよ!」と求めることができるという点に積極的意義があります。

国家は全産業を支配下に置いているわけではないので(というか資本主義体制化においてはそんなことはできないのですが)、

国民から就労の機会を提供せよ!といわれても、公共事業を行なって就労の機会を増やすというケインズ政策的なことぐらいしかできず、

完全無欠な就労機会の付与を全国民に対し行なうということは、実際上は不可能に近いということになります。

 なので勤労の権利の実質面は「失業している間の生活保障」すなわち、雇用保険制度等を活用した適切な措置にあるといえます。

 以上から勤労の権利は労働の機会を得られない者が相当の生活費の支払いを請求する権利を含むと解されますので選択肢10.の記述は妥当ではないということになります。

11.妥当ではない。

 法定基準に達しない労働条件を定めた労働契約は、その達しない部分につき違法かつ無効となります。

12.妥当である。

 団結権は、結成された団体自体の自由の保障を含むため、団体内部の問題に使用者が不当に介入することは許されません。

 何問できましたでしょうか?

 8問以上正解なら6割以上ですから、合格です。(^-^)//""

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