遺言者が故意に、その遺言書の全体の、左上から右下にかけて、赤色のボールペンで1本の斜線を引いた場合、その遺言は無効となるという、最高裁の判断が出ました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000134-jij-soci
(ペンで斜線、遺言書無効に=「故意に破棄」と判断―最高裁) 

 判決文は、以下に全文が出ています。

 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/488/085488_hanrei.pdf (但し、PDFファイル)

 遺言には、普通方式(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)と、

特別方式(危急時遺言・隔絶地遺言)とがあります。

 特別方式は非常に特殊なものなので、以下普通方式を中心に見ていきたいと思います。

 遺言者が、遺言書の全文・日付・氏名を「自書」して、

(ですので、パソコンで作成しプリントアウトしたようなものは無効となります)

これに捺印する方式で作成される遺言を、『自筆証書遺言』といいます。

 自筆証書遺言は、遺言内容を他人に知られることもなく、費用もかからず手軽ではありますが、ただ、形式が厳格に決まっていて、訂正をする場合なども、その厳格な形式によらなければ、無効とされます。

 赤のボールペンで、斜線を引いた場合はどうなるのかは、争いがあったわけですが、今回の判決で、この場合も無効になると判断されました。

 また、自筆証書遺言は、偽造変造隠匿の恐れが高く、実際にトラブルも多いため、これ以外の方法で遺言をされるという方も多いです。

 法律に精通していないと、無効になりやすく、また保管方法等にも気をつけないと、偽造変造隠匿の恐れも高いため、

自筆証書遺言を残したいという場合は、費用はかかってしまいますが、できる限り、法律等で厳格な守秘義務が課されている行政書士等の専門家によるサポートを受けるようにするとよいものと思います。

 次に、公証人が、公正証書の形にて作成した遺言を、『公正証書遺言』といいます。

 証人(推定相続人などはなれないなど、証人の資格要件が厳格です)2人が必要であったり、

公正証書作成手続に慣れていないと、手続が煩雑に感じられたり、

遺言内容を公証人や、行政書士等の作成サポートを受ける場合は、当該行政書士に確認してもらう必要があったり(ただ、これらの専門家には、法律で厳格な守秘義務が課せられています)

自筆証書遺言に比べて、費用がかかったりするデメリットはありますが、

偽造変造隠匿の恐れは、自筆証書遺言に比べ少なく、また、長年裁判官等を勤めた方がなさっている法律のプロ中のプロである、公証人がチェックして作成するものですので、無効となる可能性も非常に少ないものだと思います。

 手続が面倒だと感じられる場合は、もちろん、費用はかかってしまいますが、行政書士等の専門家による作成手続サポートを受けることもできます。

 なお、http://www.koshonin.gr.jp/osi.html#20 によると、

 平成26年中に、全国で作成された遺言公正証書は、ついに10万件を超え、10万4,490件に達し、前年に比べると8,470件の増加だったということです。

 次に、遺言内容を記載した証書に(パソコン等によって作成しプリントアウトしたものも可)、

遺言者が署名捺印し、これを封筒に入れ、証書に捺印したものと同じ印にて封印し、

この封筒を公証人と、2人の証人の面前に差し出し、公証人の署名捺印をもらうことで有効とされる遺言が、『秘密証書遺言』です。

 遺言内容を秘密にできますが、自筆証書遺言と同様、盗難紛失のおそれがある、資格要件の厳しい証人が2人以上必要である等のデメリットもあり、秘密証書遺言で遺言するというケースは、他の二つの普通方式の遺言に比べて少ないようです。

 なお、公正証書遺言以外は、偽造・変造防止のため、被相続人の死亡後に遺言書を発見した者は、裁判所の検認を受ける必要があります。

 また、その遺言書に封印がしている場合は、勝手に開封することができず、家庭裁判所にて開封手続を行なう必要があります。

 どの方式が望ましいのかは、ケース・バイ・ケースだと思いますが、

いずれの方式で行うにしても、無効とされたりしないよう、また偽造変造隠匿のリスクを軽減するためにも、より慎重に、できれば行政書士等の専門家によるアドバイスやサポートを受けたいところだと思います。

行政書士・マンション管理士・1級建設業経理事務士 佐々木 賢 一

(商工会議所認定 ビジネス法務エグゼクティブ(R)・日心連心理学検定(R)特1級認定者(第16号)・日商簿記検定1級認定者・FP)

大阪府行政書士会所属(会員番号4055)・大阪府行政書士会枚方支部所属

Blog:http://sasakihoumukaikei.blog.jp/(大阪・寝屋川:佐々木行政書士・マンション管理士事務所ブログ)
 
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