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 憲法31条は次のように規定しています。

「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」

 この条文は、アメリカ合衆国憲法修正第5条、14条に由来する適正手続(due process of law)を定めたものだと一般にいわれています。

在日アメリカ大使館HP:2007年・9月6日 pm3:30現在 参照)

 権力を持つ者には、擦り寄ってくるコバンザメのような輩も多ければ、反対勢力も多いものです。

 コバンザメの方は権力者を気分よくしてくれる存在ですからいいとしても、

良いことしても、悪いことしても、何にかにつけいちゃもんつける反対勢力の方は、権力者側から見れば、うっとしいことこの上なく、

また昔の権力者はその地位を武力で手に入れたものがほとんどでしたから、

逆らうならば問答無用で切り捨て、ちゃんとした裁判も何も、無しに断罪することが多かったようです。

 つまり、権力者に気に入られなければ、反論も聞かれずに、理由も告げられずに切り捨てごめんされる可能性もあるというむちゃくちゃな場合があったわけですね。

 これでは国民は安心して暮らすことができず、また権力者に対する憎悪はつのるばかりで、

こんな感じで虐げられた国民が何か拍子に力をつけると、その刃は権力者にも向けられ、倒し倒されの動乱の世の中になってしまいます。

 この悪循環の元を断つためには、「逆らうならば問答無用で切り捨てごめん」という態度を権力者が改め、

やむを得ず国民に刑罰を科す場合は、適正な手続の下で行なう必要があるわけですが、

このことにいち早く気付いたのがイギリスの人達です。

 イギリスでは、1215年に制定されたマグナ・カルタ39条が、

「自由人は、同輩の合法的判断(裁判)又は国法によらなければ、逮捕・監禁・差押・追放その他どんな形によるにあれ、侵害されることはない。」

(No freemen shall be taken or imprisoned or disseised or exiled or in any way destroyed, nor will we go upon him nor send upon him, except by the lawful judgment of his peers or by the law of the land.) 

と定めていました。


 この考えが、後に自然法理論等と結びつき、アメリカに継受され、アメリカ合衆国憲法修正第5条、14条として具現化し、

さらには日本国憲法31条にも影響を与えることとなっています。

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 31条の根本的趣旨は、上記のような歴史的沿革を鑑みると、

国民の個人としての尊厳や自由を守るために、

国家による恣意的な刑罰権の行使を排除するというところにある

と考えることができます。

 しかし、31条を素直に読めば、

刑事事件に関する手続法(刑事訴訟法)を法律で定めて、

そこに定める手続によらなければ刑罰を科せられないということだけを、定めているような感じを受けないでもありません。

 つまり、刑罰を科すための手続だけを法定すればよく、

法律で定めさえすればその手続法の内容の適正は問わず、

また犯罪や刑罰の要件を定める法律(実体法:具体的には刑法)の制定やあるいはまた実体法の内容の適正は問わないというように読めます。

 しかし、それでは、国家による恣意的な刑罰権の行使を排除するという31条の根本趣旨に適わないことになります。

 例えば、手続を法定したはいいけれども、その内容が、「国王付属巫女が振る棒が指した先にある者を有罪とする。」とかいうようなはちゃめちゃな手続法だったら意味がありませんね。

 恣意的な刑罰権行使を排除することができません。

 なので、手続法は、

1.逮捕理由等を告げられる(理由がわからなければ反論や弁解ができません)、

2.弁解できる、

3.裁判で防御の機会を得ることができる等

のちゃんとした内容が定められていなければならないと考えることができます。

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 また、適正な内容の手続法が定められていたとしても、

実体法がないとか、

あってもむちゃくちゃな内容のものであれば、

これまた同じく恣意的な刑罰権行使を排除することができませんので、

実体法の法定(罪刑法定主義)と

その内容の適正(刑罰規定の明確性、罪刑の均衡、刑罰の謙抑主義等)

も憲法31条で担保されなければならないと考えられます。

 以上より、憲法31条は、単に刑事手続の法定のみを求めるものではなく、

1. 定められた手続法の内容の適正(告知・弁解ないし弁護・防御の機会の付与等:参考判例 最大判昭37.11.28)

2. 実体法の法定(罪刑法定主義)

3. 実体法の内容の適正(刑罰規定の明確性、罪刑の均衡、刑罰の謙抑主義等)

 をも、担保されなければならないということを定めたものであると一般に解され、そしてそう解することが通説的見解ともなっています。

 次にこの31条に関しては、これが刑事手続だけではなく、行政手続にも及ぶのか否かという問題が重要論点となっています。

 31条は行政手続にも準用(通説)、類推適用ないし直接適用(有力説)されるとするのが一般的見解ですが、

判例(最大判平4.7.1)も、

一定の要件

(行政処分によって制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、

当該制限によって達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量し、

行政処分の相手方に事前告知・弁解・防御の機会を与えるか否かを決定されるべきと判示している。)

の下で、

憲法31条が行政手続に準用ないし直接適用されるとしており、

また31条を行政手続上において具現化する趣旨のもとで制定されたと考えられる法律として「行政手続法」があります。

 つまり、憲法31条は、「行政手続法」の、

母なる源でもあるわけです・・。 J( ´ー`)('ο` )).。oO

 

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