大阪:佐々木行政書士・マンション管理士事務所ブログ

法務・会計・心理学の1級資格を有する、ビジネス・暮らしの総合アドバイザー

2007年08月

大阪・寝屋川の行政書士・マンション管理士・FPです。東京商工会議所主催ビジネス実務法務検定試験(R)1級・日商簿記1級・日心連心理学検定(R)特1級の3つの1級資格を保持する、おそらく日本で唯一のトリプル1級ホルダーの行政書士だと思います。多角的な視点から思考することができる総合的なサポーターを目指しています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

お問い合わせは、E-MAIL  fwkt0473@mb.infoweb.ne.jp  まで

行政書士・マンション管理士・1級建設業経理事務士 佐々木 賢 一

(商工会議所認定 ビジネス法務エグゼクティブ(R)・日心連心理学検定(R)特1級認定者(第16号)・日商簿記検定1級認定者・FP)

大阪府行政書士会所属(会員番号4055)・大阪府行政書士会枚方支部所属

Website: http://sasakioffice.la.coocan.jp/

憲法正誤問題(勤労の権利・労働基本権)

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 今回は前回までの内容を正誤問題で確認してみたいと思います。

(憲法正誤問題)

 憲法第27条の勤労の権利及び第28条の労働基本権に関する以下の記述は、判例に照らして妥当か否か。

(以下、平成18年度新司法試験短答式試験公法系科目第4問(NO.10)より引用)


1.
「労働組合の組合員に対する統制権は,労働者の団結権保障の一環として,憲法第28条の精神に由来するものであるが,労働組合が,公職選挙における統一候補を決定し,組合を挙げて選挙運動を推進している場合であっても,組合の方針に反して立候補した組合員を統制違反として処分することは,労働組合の統制権の限界を超えるものとして,違法といわなればならない。」


2.
「労働組合への加入強制の方式の一つとして採用されているユニオン・ショップ協定のうち,使用者とユニオン・ショップ協定を締結している組合(締結組合)以外の他の組合に加入している者や,締結組合から脱退・除名されたが他の組合に加入し又は新たな組合を結成した者について,使用者の解雇義務を定める部分は,労働者の組合選択の自由や他の組合の団結権を侵害するものであり,民法第90条の規定により無効と解すべきである。」


3.
「憲法は,勤労者の団体行動権を保障しているが,勤労者の争議権の無制限な行使を許容するものではなく,労働争議において使用者側の自由意思をはく奪し又は極度に抑圧し,あるいはその財産に対する支配を阻止し,私有財産制度の基幹を揺るがすような行為をすることは許されない。いわゆる生産管理において,労働者が,権利者の意思を排除して企業経営の権能を行うときは,正当な争議行為とはいえない。」


(引用終わり)


(平成11年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)


4.
「憲法第28条の労働基本権の保障により、正当な争議行為は刑事制裁の対象とはならないが、同条は私人間の関係には直接適用されないから、債務不履行責任又は不法行為責任までも免責するものではない。」


5.
「憲法第28条の保障する労働基本権は、当該権利を制限するような立法その他の国家行為を国に対して禁止するという自由権としての性格を有するが、国に対して労働者の労働基本権を保障する措置を要求し、国は当該措置を講ずべき義務を負うという社会権としての性格は有しない。」


6.
「使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない政治目的のための争議行為であるいわゆる純粋政治ストであっても、憲法第21条の表現の自由の保障を受けるほか、憲法第28条の労働基本権の保障を受ける。」


(引用終わり)


(平成14年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)


7.
「自ら業を営む農業者や漁業者は、使用者に労働力を提供し、その対価として賃金を得る者ではなく、使用者に対して対抗関係に立つ者ではないから、憲法第28条にいう「勤労者」には含まれない。」


8.
「国家公務員は、人事院の給与勧告等により、労働基本権制約の代替措置が講じられているから、憲法第28条にいう「勤労者」には含まれないとするのが判例である。一方、地方公務員については、同条の「勤労者」に含まれると解するのが通説である。」


9.
「労働者の団結権の保障には、労働者が使用者と対等に交渉を行なうために団体を結成する自由やそれに労働者が参加する自由とともに、労働者がそのような団体に参加しない自由を制限することは許されないという趣旨が含まれると解するのが通説である。」


(引用終わり)


(平成15年度東京都公務員砧犹邯碍法科目より以下引用)


10.
「勤労の権利とは、労働の意思と能力を有する者が国に対して労働の機会の提供を要求する権利であるが、労働の機会を得られない者が相当の生活費の支払いを請求する権利までをも含むものではない。」


11.
「憲法は、賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は法律で定めるとしているが、契約自由の原則から、法定基準に達しない労働条件を定めた労働契約は、違法であっても効力は失われない。」


12.
「団結権は、労働者が適正な労働条件の確保を目的として団体を結成する権利をいい、結成された団体自体の自由の保障を含むため、団体内部の問題に使用者が不当に介入することは許されない。」


(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

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正解は以下です。


正解:


1. 妥当である。

 前回確認した判例(最大判昭43.12.4:いわゆる三井美唄炭鉱労組事件)の判示どおりの内容で妥当です。

2.妥当である。

 判例(最判平1.12.14:いわゆる三井倉庫港運事件)の判示に基づくものであり妥当です。


 ユニオン・ショップ協定等による労働組合に加入しない自由(消極的団結権)の制約は許されるとするのが通説の立場ですが、

ただ労働者が労働組合に一旦加入したけれども、脱退したいという場合、他の労働組合に入り直す、あるいは自ら新しい組合を結成する等であれば、

脱退の自由はあると通常解されています。

 また、労働者には、自らの団結権を行使するため労働組合を選択する自由があり、

ユニオン・ショップ協定を締結している労働組合(以下「締結組合」という。)の団結権と同様、

同協定を締結していない他の労働組合の団結権も等しく尊重されるべきであるから、

締結組合から脱退・除名されたが他の組合に加入し又は新たな組合を結成した、

あるいは締結組合以外の他の組合に労働者が加入している場合にも解雇ができる、

とする協定条項については解雇権の濫用となり、民法90条に基づき無効となると解されています。

3.妥当ではない。

 判例(最大判昭25.11.15:いわゆる山田鋼業事件)の要旨に基づく内容であり妥当です。


 現行の法律秩序は私有財産制を基幹として成り立っていて、

企業のリターンとリスクは共に資本家すなわち企業の所有者に帰します。

生産管理とは企業経営の権能を所有者の意思を排除して企業の非所有者である労働者が行なうものですが、

企業経営のリスクを負わない労働者が見返りだけを求めて生産管理を行なうがごとくはいくらなんでも行き過ぎだということですね。

ゆえに生産管理は正当な争議行為とはいえないとされています。

4.妥当ではない。

 前回確認しましたように、28条は私人間に直接適用されます。

ゆえに正当な争議行為であるなら刑事免責のみならず民事免責、つまり債務不履行責任や不法行為責任も免責されるということになります。

5.妥当ではない。


 28条には自由権的側面のみならず社会権的側面もありましたね。

 ゆえに社会権的側面は有しないとする選択肢5.は妥当ではありません。

6.妥当ではない。

 判例(最大昭48.4.25:いわゆる全農林警職法事件判決)の要旨に反し、妥当ではありません。

 同判例では、使用者に対する経済的地位向上要請とは無関係の警職法改正反対のような政治目的のためにストライキ等の争議行為を行なうがごときは憲法28条の保障の下にはないとしています。


7.妥当である。

 自ら業を営む農業者や漁業者等は、憲法第28条にいう「勤労者」、そしてこれと同義の労働組合法でいう「労働者」には含まれないと解されています。

8.妥当ではない。

 勤労者(労働者)とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者であるとされています。

いわゆるサラリーマンのことですが、職業の種類を問わないわけですから、民間企業のサラリーマンであろうが公務員であろうが、賃金等によって生活する者であるならば勤労者となります。

 ゆえに国家公務員であろうが、地方公務員であろうが勤労者ということになります。

 公務員の労働基本権が制約されるという問題と勤労者に公務員が含まれるか否かの問題は別問題です。

9.妥当ではない。

 労働組合に参加しない自由(消極的団結権)の制約は許されるとするのが通説の立場です。

10.妥当ではない。

 27条1項上の、「勤労の権利」の社会権的側面は、国民が国家に対して、

「就労の機会を提供せよ!それができないのなら、失業している間の生活を保障せよ!」と求めることができるという点に積極的意義があります。

国家は全産業を支配下に置いているわけではないので(というか資本主義体制化においてはそんなことはできないのですが)、

国民から就労の機会を提供せよ!といわれても、公共事業を行なって就労の機会を増やすというケインズ政策的なことぐらいしかできず、

完全無欠な就労機会の付与を全国民に対し行なうということは、実際上は不可能に近いということになります。

 なので勤労の権利の実質面は「失業している間の生活保障」すなわち、雇用保険制度等を活用した適切な措置にあるといえます。

 以上から勤労の権利は労働の機会を得られない者が相当の生活費の支払いを請求する権利を含むと解されますので選択肢10.の記述は妥当ではないということになります。

11.妥当ではない。

 法定基準に達しない労働条件を定めた労働契約は、その達しない部分につき違法かつ無効となります。

12.妥当である。

 団結権は、結成された団体自体の自由の保障を含むため、団体内部の問題に使用者が不当に介入することは許されません。

 何問できましたでしょうか?

 8問以上正解なら6割以上ですから、合格です。(^-^)//""

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団結権・団体交渉権・団体行動権

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 憲法28条は以下のように規定し、労働基本権を保障しています。

「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」

 労働基本権(労働三権)とは、

1.団結権

 いわゆる労働組合等を結成したり、当該団体に参加したりできる権利。

2.団体交渉権

 労働組合等が使用者と交渉できる権利。

3.団体行動権

 労働条件改善等を目的にストライキ等が行え得る権利。

の3つを総称したものです。

 勤労者あるいは労働者とは、自分の労働力を他人に売る方法で生活している人のことをいいます。

 憲法28条の規定を受けて立法された「労働組合法」では、同法3条において、労働者を

「職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。」

と定義づけしています。

 つまり、農業者・漁業者・商工業者・フリーランス業者等の自営業者以外のいわゆるサラリーマンのような方々ということになるでしょうか・・。

 サラリーマンといっても民間企業のサラリーマンだけではなくて、公務員も当然ながら勤労者、労働者に含まれます。

(ただし、以前確認しましたように、公務員の労働基本権については大きく制約されると解されています。)

 一サラリーマンが、例えばオーナー社長のところにハチマキ締めて一人で乗り込んで行って、「長時間労働が過ぎる。その割には給料が安い。労働条件を改善してくれ!」なんていえるでしょうか?

 なかなかそんな勇気がある人はいないでしょうし、仮にいたとしても、

「ああそう。嫌なら辞めてもらっても結構だよ・・。別に君なんていなくても会社は普通に回るんだから。

たいした仕事もできないくせに、偉そうに何言ってんの?

バカじゃないの。

今から銀座に行って飲むんだから君と話している暇なんかないんだよ。

ほらもう、あっちいって、ウザイから・・。」

とオーナー社長に軽くあしらわれること必然でしょう。_| ̄|●

 そんなわけで、サラリーマンは経営者等の使用者とイーブンの関係にはなく、圧倒的劣位にあり、契約自由の原則を貫くと常に不利な立場に立たされます。

 そこで、そういう劣位的立場にある勤労者、労働者にゴルフ・競馬・オートレース等の競技にようにハンデを与えて、使用者と対等の立場に立たせようとするのが労働基本権の保障です。

 その結果、使用者の営業の自由や財産権は制約されることになるわけですが、

優位的な立場にある人達だけが自由や快楽を謳歌しているといずれ、

そうでない人達からの手痛い強烈なシッペ返しが来ることは必然ですから、自身の身を守るためにも、これぐらいの制約はガマンしなさいということですね・・。

 「あれ、そうなると28条は、国民から国家に対する命令だけではなくて、使用者に対してもなにがしかの命令をしていることになるの?」という疑問が出てくるかもしれませんが、

そのとおりで、労働者の権利を保障するという性質上、使用者は労働者の労働基本権を尊重する義務を負い、

つまり、28条は私人間にも直接適用されるということになります。

 これを具体化したものが労働組合法8条

(「使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。」)

です。

 同盟罷業とはいわゆるストライキのことですね。労働者が労働条件改善を求めて、徒党を組んで、仕事をしないことです。

 これって、通常なら債務不履行になりますよね。

 労働者と使用者は雇用契約を締結しているはずなんですけれども、雇用契約とは、民法623条によると、

「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。」

というものですから、労働者の帰責により、意味なく労働に従事しなければ当然ながら債務不履行となり、

あるいは不法行為要件を満たすのであれば不法行為ともなることでしょう。

 使用者から損害賠償請求されてもしかたないということになります。

 が、正当な争議行為であるならば、違法性を阻却し、これらの民事責任を免除(民事免責)しましょう、

それが憲法が求めているものだから、使用者もがまんしてね、

この場合は憲法の規定が使用者にも直接適用されますということになるわけです。

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 労働基本権のその他の法的性質についてですが、これも生存権等と同じように、複合的権利となっており、

まず、国民の労働基本権行使を国家が阻害するなと要求できる自由権的側面があります。

 具体的には、正当な争議行為

(ストライキ等:

但し、危険な暴力を伴う行為、

使用者の財産権を過度に制約する生産管理(企業設備等を労働者が支配してしまう行為)、

純粋政治スト等については判例は正当な争議行為とはいえないという立場に立っています。)

に関し、国家は国民に対して刑罰等を課してはならないということになっています。

 争議行為は、場合によっては刑法上の構成要件に該当する場合もあるわけですが、

正当な争議行為であるならば、国家は労働者に対し、刑事制裁を加えてはならない(これを刑事免責という)ということです。

 これらが労働基本権の自由権的側面ということです。

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 複合的権利ですから、社会権的側面もあるわけですが、

労働基本権保障確保のために労働者は国家に対して、積極的措置を行なうことを求めることができるし、

国家はそれに対応する義務を負うというようなことが、当該側面にあたることでしょう。

 この社会権的側面についても、労働組合法が具体化しており、

同法によると労働者は使用者による不当労働行為に対して、労働委員会に行政救済を求めることができるとされています。

 さて、労働基本権についてはこれら以外に次のような論点があります。

 まずひとつは、労働組合等への加入強制等の可否についてです。

 労働組合等の労働者の団体については、通常の結社の自由よりもより強い権利性が認められているものと解されます。

 そうでなければ、結社の自由を保障する憲法21条

(「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」)

とは別に28条によって勤労者の団結する権利(団結権)を保障した意味が薄れてきますからね。

 そこで、労働者団体への加入強制(クローズド・ショップ協定・ユニオン・ショップ協定(注))や、通常の団体よりもより強い内部統制等の組織強制が一定限度で認められるとされています。

(一旦ある労働組合に入ったが、脱退したいという場合、他の労働組合に入り直すのであれば、脱退の自由はあると通常解されています。)

(注)

1. クローズド・ショップ協定
 労働者を雇用する場合、使用者は労働組合員からしか雇用することができず、また労働者が労働組合から脱退した場合は、使用者は当該労働者を解雇しなければならないという労使協定。

2. ユニオン・ショップ協定
 労働組合員ではない者を雇用してもよいが、雇用後当該労働者は一定期間中に労働組合に加入しなければならず、そうでない場合、使用者は当該労働者を解雇しなければならないという労使協定。日本でよく用いられる協定。

(注終わり)

 労働者団体を作ったはいいが、他の労働者が興味を示さず

「俺、そんなの入んないよ・・。使用者に楯突いたっていいことないし・・。少数の労働組合役員達だけでがんばってやんなよ・・。」

という人が多かったり、

「ええ、ストライキするの?俺は組合員だけど、そこまでのことはしたくないなあ。」

とかいう組合員が多かったりでは、折角憲法で保障した労働基本権も実効性のないものとなります。

 そこで、労働者の団体については、

労働者のそれに加入しない権利(消極的団結権)の制約が許され

(つまり、消極的団結権については憲法28条上の保障は受けないということになります)

また国家等の公権力や使用者が労働者の団体の内部問題に不当介入することを認めず、

通常の団体よりもより強い内部統制等の組織強制が一定限度で認められると解するのが通常ということになっています。

 判例(最大判昭43.12.4:いわゆる三井美唄炭鉱労組事件)は、この点につき、

「憲法上、団結権を保障されている労働組合においては、その組合員に対する組合の統制権は、一般の組織的団体のそれと異なり、

労働組合の団結権を確保するために必要であり、かつ、合理的な範囲内においては、

労働者の団結権保障の一環として、憲法28条の精神に由来するものということができる。

この意味において、憲法28条による労働者の団結権保障の効果として、

労働組合は、その目的を達成するために必要であり、かつ、合理的な範囲内において、その組合員に対する統制権を有するものと解すべきである。」

としています。

 しかし、あくまでも合理的な範囲内の一定限度で認められるということですから、限界があり、当該に限界につき、同判例は、

「労働組合が行使し得べき組合員に対する統制権には、当然、一定の限界が存するものといわなければならない。

殊に、公職選挙における立候補の自由は、憲法15条1項の趣旨に照らし、基本的人権の一つとして、憲法の保障する重要な権利であるから、

これに対する制約は、特に慎重でなければならず、組合の団結を維持するための統制権の行使に基づく制約であつても、

その必要性と立候補の自由の重要性とを比較衡量して、その許否を決すべきであり、

その際、政治活動に対する組合の統制権のもつ性格と立候補の自由の重要性とを十分考慮する必要がある。」

と述べ、結論として、

「労働組合が、地方議会議員の選挙にあたり、いわゆる統一候補を決定し、

組合を挙げて選挙運動を推進している場合において、統一候補の選にもれた組合員が、組合の方針に反して立候補しようとするときは、

これを断念するよう勧告または説得することは許されるが、

その域を超えて、立候補を取りやめることを要求し、これに従わないことを理由に統制違反者として処分することは、

組合の統制権の限界を超えるものとして許されない。」

と判示して、この場合は、

労働組合の統制権<組合員の立候補の自由

という判断をしています。

 最後に、労働基本権を制約する法律の違憲審査基準ですが、

学説は、労働基本権は労働者の生存そのものに関わる権利であるので、過度な立法裁量を認めるのは好ましくなく、

また労働基本権は精神的自由と経済的自由の中間に位置する権利と考えることができ、

それゆえ厳格に審査されることが必要とされると解し、LRAの基準によって判断すべきであるとしています。

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勤労の権利

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 憲法27条は以下のように規定しています。

27条

「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

2.賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

3.児童は、これを酷使してはならない。」

 上記1項で保障される権利を「勤労の権利」と呼んだりしておりますが、問題はこれがどのような法的性格を持つかです。

 勤労の権利を国家が阻害してくる可能性があることから、その場合に、「勤労の権利阻害をやめよ!」といえる、つまり自由権的性格があることは誰しもが認めるところです。

 しかし、「自由に勤労させろ!働かせろ!」ということ(つまり、勤労の権利の自由権的側面)は、よくよく考えると、

「自由に職業選択させろ!営業させろ!」という「職業選択の自由」を保障する憲法22条1項とオーバーラップとするところから、

じゃあそっちで処理すればいいじゃんということになって、27条における勤労の権利の自由権的側面はさほど重要性をもたないと通常されています。

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 ということで、勤労の権利につき27条上における積極的意義が認められるのは、「社会権的側面」ということになってくるわけですが、

「社会権」の場合、これまで見てきたように、それが、プログラム規定であるのか、抽象的権利であるのか、具体的権利であるのかという点が非常に問題となってきます。

 27条1項上の勤労の権利の社会権的側面は、国民が国家に対して、「就労の機会を提供せよ!それができないのなら、失業している間の生活を保障せよ!」と求めることができるという点に積極的意義があるわけですが、

古典派経済学派(とりわけマネタリスト)等は、「国家はそんな失業対策のような政策はしなくてよい。経済はほっておけば悪くなっても自然とよくなる。政府が余計なことをすることこそが害悪を産む。」というわけですから、この考えからすると、積極的な失業対策を政府がすることには慎重にならざるを得ないということになります。

 ちなみに、ある古典派理論によると、やむを得ず失業するという人は少なく、失業者のほとんどは自発的失業者で、

また、合理的経済人(ホモエコノミクス)たる失業者は、

失業対策(通常、ケインズ政策

(公共事業の増発や国債発行、オープンマーケットオペレーション、公定歩合操作、準備率操作等)

が行なわれる場合が多く、またこれらの政策によりインフレという副作用が伴う場合も多い)

のようなそんな政策は先読みするので、先読みされるような政策の効果は薄く、短期的にはともかく、長期的には全く効果がないどころか、(短期的にも効果はないとする説もあります。)

インフレと不景気が同時にやってくるスタグフレーションの原因となるとしたりしています。

 そういうことで、失業対策については、その効果のあるなしを巡って議論が多いところでもありますし、また失業対策をするに際しては、もちろん予算もかかることですから、27条1項は、「プログラム規定」であると論じる論者も多いところです。

 ですが、最近は、具体的な立法があれば、請求権を認め、また、当該立法が改廃された場合は当該侵害行為についても争うことができ、

さらに使用者の解雇自由を制約するという点(ここは私人間にも直接適用的に適用されるという性質があります)に法的効力があるとする、抽象的権利説的な説が有力となっています。

 具体的立法がない場合に立法不作為を争いうるという「具体的権利説(というよりは、立法不作為違憲説)」的な考え方もあります。

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 次に、27条2項についてです。

 前回述べましたように、労働力という生身の人間が直接的に関わってくる商品の取引は、契約自由の原則に任せるべきでなく、また使用者が一旦購入した商品だからといって、自由な財産権行使を認めるべきものでもありません。

 そこで、この場面における契約自由の原則や財産権の自由な行使を制限する、そしてその詳細は法律(労働基準法等)で定めるということを定めているのが27条2項です。

 27条2項を実際に具体化したものが、「労働基準法」や「最低賃金法」、「労働安全衛生法」、「労働者災害補償保険法」、「男女雇用機会均等法」等のいわゆる労働法と呼ばれるジャンルに属する法律群ということになります。

 次に27条3項ですが、かつて児童がブルジョアジーに酷使され、酷い目に遭わされた時代があったので

(子供が大事にされるようになったのは極めて最近のことで、子供は酷使されて当たり前のものというのが常識であった時代もあったのです。

常識というものは時代時代に応じて変節するものですから、今の常識が古今東西、未来永劫に渡っての常識であるとは考えない方がいいわけですね。)

その反省から、この規定が置かれたと考えられます。

 なお、27条3項も私人間直接適用がされます。

 児童酷使時代において実際に児童を酷使していたのは、国家というよりも、ブルジョアジーという私人だったので、国家だけが27条3項の対象となるのではない、私人も対象となり、直接適用されるということです。

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資本家(ブルジョアジー)VS労働者(プロレタリアート)

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 資本家(経営者)と労働者との間の労働契約で売り買いされるものは、労働力(労働能力)です。

 いわば、労働力は労働者が売る商品のようなものですね。

 資本家は賃金を払ってこれを購入し、消費(「労働力」の消費を「労働」といいます。)するわけです。

 労働力商品の価格は、労働者の生活費で決まるわけですが、

一日の生活費は通常3時間ぐらいの労働でまかなえたりします。

 ところが、資本家は例えば15時間労働させたりするわけですね。

(となると、3時間分の値段で買った労働力で、15時間分の価値を生み出すことができ、

この差12時間分の価値を経済学なんかでは「余剰価値」といったりするわけですが、

もちろん、この余剰価値は、資本家が買った労働力が生み出した果実なので、資本家がまるまる頂くということになります・・。)

 安く買って、高く叩き売って、濡れ手に粟みたいな感じがしないでもないのですが、

資本家に買われた労働力は、資本家の財産ですから、市民革命によって打ち立てられた、財産権不可侵の原則や私的自治の原則(契約自由の原則)を貫くと、

力の差のある資本家が一方的に有利になる契約を労働者と締結し、そして、得た資本家の財産である労働力をいかように使おうとも、国家は一切干渉してはいけないということになります。

 「財産権不可侵の原則」「契約自由の原則」が最も生きてくるのは上記のような場面であり、これを得たいばかりに資本家達は市民革命をがんばって闘い抜いたともいえることでしょう。

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 市民革命後の初期資本主義社会においては、「財産権不可侵の原則」が純粋に貫かれていたので、資本家が賃金を払って買った労働力はまさに資本家の好きなように使われていました。

 余剰価値を増やすためには、限界ギリギリまで労働力を消費する、すなわち、労働者に寝る暇、食べる暇もないほど、労働させる必要があり、例えば一日22時間労働させるとかそういうことをやっていたわけですね。

 資本家はこのシステムにより莫大な富を得る一方、労働者は生活費に準ずる賃金しか得ることができず、

また過剰な労働により、健康を害し、時には生命すら失い、人たるにふさわしい生活(すなわち、自由)をおくることができなくなっていきます。

 労働力はいくら商品とはいえども、他の商品とは違って、生身の人間の生存に関わってくるものですから、

はちゃめちゃな使い方はよくないというのは今の時代の人なら当然に思うわけですが、

当時はあくまでも「財産権不可侵」「契約自由の原則貫徹」の方が優先されていたわけですね。

 しかし、上記のような状態にある社会における労働者は、得る物少なく、失う物多く、もちろん、資本家が謳歌する自由などあるはずもなく、健康や生命の危機に常にさらされ、もうどうでもよくなってくること必然ですね。

 生きるも地獄、死ぬも地獄となれば、死を決して、社会主義共産主義革命の道に突き進み、資本家を打倒するという決意を行なうことでしょう。

(そういうわけで、ロシア等で実際に社会主義、共産革命が行なわれました。)

 こういう状態に至って初めて、西欧諸国のブルジョアジー達も、「革命で打倒されて、身包み剥がされ(私有財産制度が否定され)、ギロチンにかけられたら、いくら今、膨大な財産があったとしても、もともこもない。」と気付き、

私有財産制度を維持しながらも、公共の福祉による財産権制約を認め、労働者の自由を回復させ、そして、彼らの「生存」につき国家が配慮するという政策をとりはじめたわけです。

 このような政策(つまり、財産権制約・社会権的・生存権的政策)はドイツ・ワイマール憲法にはじめて盛り込まれ、

日本国憲法もその影響下にあります。

 憲法27〜28条は以下のように規定しています。

27条

「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

2.賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

3.児童は、これを酷使してはならない。」

28条 

「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」

 これらの条文は、前述のような歴史的な過程の中から生まれてきたものだとといえることでしょう。

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憲法正誤問題(教育を受ける権利:まとめ)

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 今回は前回までの内容を正誤問題で確認してみましょう。

(憲法正誤問題)

 次の記述は、妥当か否か。

(平成11年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)

1.「憲法第26条第2項後段の規定は、国の政策目標を定めたものであり、無償の範囲は法律によって具体化されることから、立法措置により、義務教育において授業料を徴収することができるとするのが判例の趣旨である。」

2.「親は子女の教育の自由を有し、教師は教授の自由を有するから、国には教育内容について決定する権能を有する領域は存在しないとするのが判例である。」

(引用終わり)

(平成15年度国家公務員2種試験憲法科目より以下引用)

3.「憲法第26条第1項の規定の背後には、子供はその学習要求を充足するための教育を自己に施すことを大人一般に対して要求する権利を有するとの観念が存在しているとするのが判例である。」

4.「憲法第26条第2項前段の規定は、普通教育が民主国家の存立、繁栄のために不可欠な制度であるからではなく、それが子女の人格形成に必要欠くべからざるものであることから、親の本来有している子女を教育すべき責務を全うさせようという趣旨の規定であるとするのが判例である。」

5.「我が国の法制上子供の公教育の内容を決定する権能は教師ではなく国に帰属するから、国は公教育の内容及び方法について包括的に定めることができ、したがって、公教育を実施する教師の教授の自由は認められないとするのが判例である。」

(引用終わり)

(平成11年度国家公務員1種試験憲法科目より以下引用)

6.「教育を受ける権利は、国民がその保護する子女に教育を施す権利を内包しているが、国家に対し適切な教育の場を提供することを要求する社会権としての性格は有しないと解するのが通説である。」

7.「高等学校学習指導要領は法規としての性質を有するものではないことから、憲法上教育の自由が保障されている教師は、それに法的に拘束されることはないとするのが判例である。」

(引用終わり)

 以下の記述は判例に照らし、妥当か否か。

(平成11年度行政書士試験憲法科目より以下引用)


8.「憲法は義務教育を無償とする旨を規定しているが、これは、授業料を徴収しないことを意味し、教科書、学用品その他の教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものではない。」

(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

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正解は以下です。

正解

1. 妥当ではない。


  判例(最大判昭39.2.26)は、

「憲法26条2項後段の「義務教育は、これを無償とする。」という意義は、

国が義務教育を提供するにつき有償としないこと、換言すれば、〔中略〕

その対価を徴収しないことを定めたものであり、教育提供に対する対価とは授業料を意味するものと認められるから、

同条項の無償とは授業料不徴収の意味と解するのが相当である。」

と述べ、義務教育の授業料不徴収は憲法が直接定めたものであるとしています。

となるとこれを立法措置で覆すわけにはいかないと解されるわけですから問題の記述は妥当ではないということになります。

2. 妥当ではない。


 判例(最大判昭51.5.21:いわゆる旭川学力テスト事件)は、親とその委託を受けた教師が果たす役割以外の領域において、

「国政の一部として広く適切な教育政策を樹立、実施すべく、〔中略〕必要かつ相当と認められる範囲において、

教育内容についてもこれを決定する権能を有するものと解さざるをえず、これを否定すべき理由ないし根拠は、どこにもみいだせないのである。」と述べ、

国が教育内容について決定する権能を有する領域が存在するとしていますので、問題文の記述は妥当ではありません。

3. 妥当である。


 判例(最大判昭51.5.21:いわゆる旭川学力テスト事件)の判旨どおりの内容で妥当です。

4. 妥当ではない。


 問題文には、「普通教育が民主国家の存立、繁栄のために不可欠な制度であるからではなく」とありますが、

判例(最大判昭39.2.26)は、

普通教育には、「民主国家の存立、繁栄のため必要であるという国家的要請」的部分(将来の主権者養成機能)もあるとしていますので、

問題文の記述は妥当ではありません。

(もちろん、判例は普通教育について「子女の人格の完成に必要欠くべからざるものである」とも述べています。)

5. 妥当ではない。

 判例(最大判昭51.5.21:いわゆる旭川学力テスト事件)の立場は折衷説ですね。

教育内容を決定する権限は国には一切ないとか、教師には一切ないとかいうような極端かつ一方的な立場はとっていないということでした。

判例は、

「教師が公権力によつて特定の意見のみを教授することを強制されないという意味において、〔中略〕

教授の具体的内容及び方法につきある程度自由な裁量が認められなければならないという意味においては、

一定の範囲における教授の自由が保障されるべきことを肯定できないではない。」

と述べていますので、

「公教育を実施する教師の教授の自由は認められない」とする問題文の記述は妥当ではありません。

6. 妥当ではない。

 教育を受ける権利は、自由権的側面と社会権的側面を持つ複合的な人権であるとするのが通説の立場でしたね。

ですので、「社会権としての性格は有しない」とする問題文の記述は妥当ではありません。

7. 妥当ではない。

 学習指導要領が法規としての性質を有するものではないのなら、

教育権が国家にあるのか教師にあるのかで、

揉めることもないわけですよ。。(^^;

訴訟にもなりません。

また普通教育の教師に完全な教授の自由があるということにもなってしまいますね。

だから妥当ではないと判断でき、正解を導き出すことができるかと思います。

判例(最判平2.1.18)は、

「国が、教育の一定水準を維持しつつ、高等学校教育の目的達成に資するために、

高等学校教育の内容及び方法について遵守すべき基準を定立する必要があり、

特に法規によってそのような基準が定立されている事柄については、

教育の具体的内容及び方法につき高等学校の教師に認められるべき裁量にもおのずから制約が存するのである。」

と述べ、

学習指導要領には法規としての性質があり、またそれが法規として定立されたなら、高等学校の教師はそれに法的に拘束されるとしていますので、問題文の記述は妥当ではありません。

8. 妥当である。


 判例(最大判昭39.2.26)の判旨どおりの内容であり、妥当です。

 何問できましたでしょうか?

 5問以上正解なら6割以上ですから、合格です。(^-^)//""

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教科書はタダか?

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 憲法26条2項は以下のように規定しています。

「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」

 26条2項は、同条1項の背後にある、子供の学習権を実質的なものとするために、親にその保護する子女に普通教育を受けさせる義務を、

そして、この国民の義務履行をスムーズにするために、

国家に義務教育インフラ整備義務及び当該教育を無償で提供する義務を規定しています。

 この条文についてもいくつかの論点があります。

 まずは、義務教育の年限についてですが、憲法では詳細に決められていないため、立法裁量によって、現在年限(9年)の延長も可能だと解されます。

 旧教育基本法においては、義務教育の年限は9年とはっきり明記されていたのですが、昨年、公布・施行された新教育基本法ではこれを削除し、将来の延長の可能性も考慮し、義務教育年限については、他法律に委ねるという形をとっています。

 次に、無償の範囲に関する問題があります。これが試験でも出題されやすい部分だと思います。

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 義務教育の無償の範囲については、以下の3説があります。

1.無償範囲法定説

 26条2項はプログラム規定に近いものであり、義務教育はなるべく無償とすべきだが、その範囲は国家の財政状態等を鑑み、別途法律により具体化すべきであるとする考えです。

 26条2項は内容が抽象的で明確でなく、また、国家の財政状態に応じてどこまで無償とできるのかはその時々によるし、さらに26条2項後段は、生存権の一種と考えられるので、生存権と同様、プログラム規定的なものだと解するのが相当であるというのがその理由になります。

 この説によると、義務教育を授業料を含めて有料とすることができると解釈できる余地があります。

 ですが、26条2項は、はっきりと義務教育は無償である旨を定めているわけですから、プログラム規定的に考えるのはいかがなものかという批判が当然ながらあるということになります。

2.授業料無償説

 義務教育の無償とは、授業料がタダであることを意味するとする説です。

 教科書代等も無償であることが望ましいが、国家財政等を鑑み、厳しければ授業料以外の就学必要費は有料としても違憲とはならないとする考え方です。

 戦前の国公立義務教育は授業料のみを無償としていたようなのですが、26条2項もこれを引き継いでいる、保護する子女を教育するという責務は親が本来有している責務であり、26条2項はこの責務を全うさせる趣旨のものであって、一切の就学費を国が負担しなければならないものではないというのが、その理由になります。

 しかし、戦前義務教育授業料を無償としたのは、富国強兵等の当時の国家政策を容易にするために、嫌がる国民に無理矢理教育義務を強制したので、(この強制に反対し、各地で学校打ちこわし一揆みたいなものもあったんです・・。)

じゃあその代わりに授業料は無償にしてやるから、言うことを聞けというような、事情があったわけで、

 これと、権利たる26条をごっちゃにして同列に考えるのは好ましくない、

また教育は本来、保護者の責務なんだから、本来は授業料も親が負担すべきところを国家が出してあげてるんだから、

授業料以外の就学費は親が出せよ、当たり前じゃん!というのは、いかにも封建的な「家制度」的な発想であるとの批判がこの説にはあります。

3.就学必需費(必要費)一切無償説

 授業料だけではなくて、教科書代、学用品代、その他義務教育就学に必要ないし必需の費用は全てタダとするのがこの説です。

 最拡張解釈説ですね。義務教育は無償とあるのだから、あくまでも全部無償にすべきというのが形式的理由でしょう。

 教科書代やランドセル等の学用品も金額的にばかになりませんから、これらを払えない家庭だってあることでしょう。

 また教科書なしで、教師が全部板書、レジュメないし口頭で授業をするというのであればいいのですが、そうなると教師の負担が相当なものとなり、実質的には不可能で、やはり教科書は必要だということになります。

 この教育にとって必要不可欠な教科書は自己負担だとすると、貧困家庭の子女は、教科書なしで授業に出なければならないことになる可能性があるわけですが、教科書なしで授業に出たところで、何やっているかさっぱりわかりませんね。

教師 「A君、教科書の○○ページの英文を和訳しなさい。」

A君 「教科書買えないから、もってません。元の英文わかんないから、和訳なんてできるわけないだろ!無茶苦茶いうな!」

(確かにそりゃ、無茶だ・・。)(ー_ー*)ゞ

 こんなのは教育ではないというのが実質的理由になるかと思います。

 しかし、就学必需費といっても範囲が明確でなく、教科書がタダなのか、ランドセル代、通学のための洋服、弁当代、通学費までタダにするのかよくわからない、また貧困家庭については、生存権によって援助すれば足りるので、就学費一切を無償にする必要性はないし、財政的にも許容できないという反論がこの説にはあります。

 判例・通説の立場は、授業料無償説です。

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 判例(最大判昭39.2.26)は、この件に関し、次のように判示しています。

「普通教育の義務制ということが、必然的にそのための子女就学に要する一切の費用を無償としなければならないものと速断することは許されない。」

「けだし、憲法がかように保護者に子女を就学せしむべき義務を課しているのは、単に普通教育が民主国家の存立、繁栄のため必要であるという国家的要請だけによるものではなくして、」

 26条には参政権的意義、つまり将来の主権者を育成するという意味もあるわけですね・・。ただそれだけではなくて、

「それがまた子女の人格の完成に必要欠くべからざるものであるということから、」

 という意味もあると判例は述べています。

「親の本来有している子女を教育すべき責務を完うせしめんとする趣旨に出たものでもあるから、

義務教育に要する一切の費用は、当然に国がこれを負担しなければならないものとはいえないからである。」

 ここは、上記2.の説明と同じものといえます。

「憲法二六条二項後段の「義務教育は、これを無償とする。」という意義は、国が義務教育を提供するにつき有償としないこと、

換言すれば、

子女の保護者に対しその子女に普通教育を受けさせるにつき、

その対価を徴収しないことを定めたものであり、教育提供に対する対価とは授業料を意味するものと認められるから、同条項の無償とは授業料不徴収の意味と解するのが相当である。」

 ということで、授業料だけタダですよといってますね。

「そして、かく解することは、従来一般に国または公共団体の設置にかかる学校における義務教育には月謝を無料として来た沿革にも合致するものである。」

 戦前からの制度を引き継ぐものであるかのような歴史的解釈を施しています。

「また、教育基本法四条二項および学校教育法六条但書において、義務教育については授業料はこれを徴収しない旨規定している所以も、右の憲法の趣旨を確認したものであると解することができる。

それ故、憲法の義務教育は無償とするとの規定は、授業料のほかに、教科書、学用品その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものと解することはできない。」

 ということで、教科書代等は無償とする必要はないとしていますね。

 「もとより、憲法はすべての国民に対しその保護する子女をして普通教育を受けさせることを義務として強制しているのであるから、国が保護者の教科書等の費用の負担についても、これをできるだけ軽減するよう配慮、努力することは望ましいところであるが、」

 なるべく無償の範囲を広げることが望ましいけれども、

「それは、国の財政等の事情を考慮して立法政策の問題として解決すべき事柄であつて、憲法の前記法条の規定するところではないというべきである。」

 それは、政策の問題であって、裁判所の関知するところではないかのような説明となっています。

 ただ、現在は、当該判例が出る少し前にできた法律である「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」等により、立法裁量という形で、義務教育の教科書代は無償となっています・・。

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教育権説

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 憲法26条関係で論点となるのが「教育権説」です。

 地味な論点ですが、26条関係といえばこれですから、しかたないので^^;、がんばってマスターしちゃいましょう。

 この論点は、国家に普通教育(小中高での教育)の内容を決定できる権限があるか否かの問題です。

 全面的にあるとするのが、「国家教育権説」で、逆に国家には普通教育の内容を決定する権限はなく、全面的に親と教師を中心とした国民全体(といっても事実上は教師)にそれがあるとするのが「国民教育権説」です。

 国家教育権説については、国家が教育内容を決定するということはつまりは、議会制民主主義を基礎とした多数決で普通教育内容を決定するということであり、政治的な事情、理由により、子供に対する教育内容が決められてしまうという批判があります。

 時の政治の事情により普通教育内容が決められてしまうということになると、児童・生徒の人格的発展に悪影響を及ぼす可能性があり、全面的に普通教育内容の決定権を国家に与えるということはよろしくないことは確かでしょう。

 しかし、普通教育の機会均等という観点からすると、教育内容の決定権限を事実上教師に全面的に与えるという「国民教育権説」も極端にすぎるということになります。

 各地あるいは各学校ないしは各教師によって教えることがバラバラということになってしまうと、全国的に一定水準の教育が確保されないということになってしまいます。

 また、以前、教授の自由のところで確認したように、生徒児童は、一般に批判能力に乏しいとされ、教師のいうことを鵜呑みにしてしまう可能性もあり、教師の一存によって極端な内容の教育をされてしまうとこれまた、人格的発展上不当な影響が子供に及ぶ危険性があります。

 普通教育に関する学校や教師を子供及びその親が自由に選択できるという環境も整っていない現在において、

偶々入らざるを得なかった学校や担当する教師が偏った教育を行なっているとしても、これを変更することが容易ではないため、やはり、一定の限度において、全国的かつある程度統一的なカリキュラムを公教育において実施して欲しいと思うのが通常の感覚ではないかと思います。

 全国的かつある程度統一的なカリキュラムを策定するということになると、どうしても国家の手を借りざるを得ないということにもなってきます。

 ということで、「国家教育権説」も「国民教育権説」も、どちらも偏りが目立ち、極端で一方的だということですね。

 YESかNOかの二者択一はわかりやすくて大衆受けはするのですが、勧善懲悪の時代劇や○○ライダーや○○トラマンの世界ではないんですから、法学ではそういう極端にすぎる選択はあまりしないものです。

 法律の世界は、バランス感覚を大事にして、矛盾・対立する意見の調整をいかにするかを考える(これこそが法的思考というものだと思います。)大人の世界なので、大衆・子供番組のような勧善懲悪的思考はしないということです。

 今回のテーマに関する最高裁の判断もまさに矛盾・対立する意見の調整をいかにするかを考えたものであり、判例は、普通教育内容の決定は、役割に応じ、国民(教師等)・国家が分担して行なうべきであるとする「折衷説」の立場にあります。

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 それでは、このテーマを取り扱った判例(最大判昭51.5.21:いわゆる旭川学力テスト事件)の判旨を確認してみましょう。

 まず、判例は憲法26条につき以下のように述べています。

「憲法26条の規定は、福祉国家の理念に基づき、国が積極的に教育に関する諸施設を設けて国民の利用に供する責務を負うことを明らかにするとともに、

子どもに対する基礎的教育である普通教育の絶対的必要性にかんがみ、

親に対し、その子女に普通教育を受けさせる義務を課し、

かつ、その費用を国において負担すべきことを宣言したものある。」

 この部分は26条全体の解釈について述べたものであると考えられます。

「26条の背後には、国民各自が、一個の人間として、また、一市民として、成長、発達し、自己の人格を完成、実現するために必要な学習をする固有の権利を有すること、」

 この部分は、26条のバックグランドには、「学習権(学習する権利)」というものがあって、それは子供だけではなくて、大人も含めた国民各自にあるということを述べています。

 しかし、大人は自分で稼いで本を買って自習したり、稼いだ金で学校に行ったりして、自らの財力と判断で学習することが子供に比べて容易ですね。

 あくまでも子供に比べて容易だということです。

 もちろん、実際はとりわけ行政書士試験を受験しようとしている社会人の皆様は、非常に大変な思いをされて受験勉強をされていると思います。

 が、それにしても、子供に比べれば、自分で稼いで、自分で時間を作って勉強することは容易だと思います。

 子供の場合は、親が「あんた、そんな勉強なんてしなくていいよ。親の仕事を手伝いなさい。」みたいな感じで、また社会的にも義務教育のような制度がないと、大人と違って自分で学習するということは困難だということです。

 だからこそ、子供の学習権こそが、しっかりと確保されるべきであるということになります。

 そこで判例は、

「特に、みずから学習することのできない子どもは、その学習要求を充足するための教育を自己に施すことを大人一般に対して要求する権利を有するとの観念が存在していると考えられる。

換言すれば、子どもの教育は、教育を施す者の支配的権能ではなく、何よりもまず、子どもの学習をする権利に対応し、その充足をはかりうる立場にある者の責務に属するものとしてとらえられているのである。」

と述べ、26条の中心は、子供に対する大人の支配的権能についてではなく、「子供の学習権」とそれに対応する「大人の義務」にあるかのような見解を示しています。

 少子高齢化、ニート・フリーター増加社会、格差社会たる現在においては、再チャレンジ政策等のための大人の学習権の方が重要になってくるかもしれませんが・・。(^^;

 建前は置いて考えると、子供なんて、十分すぎる学習環境を与えたとしても、

遊びたい盛りですからそうそう勉強なんてしませんし、だいたい、世界的に見ても、義務教育学習環境が非常に整っていると思える日本でも、

例えば中学校で習うような内容を完全理解できている日本国民はいかほどいるのでしょうか?

 中学校程度の数学の問題を解けない大人は山ほどいるでしょうし、(以前の行政書士試験にはこの程度の数学の問題が出ていたのですが、解けなかった人も多かったものと思います。)

一般に中学程度の英語がわかれば、日常会話や簡単な手紙を書くことはできるといわれているのですが、日常会話も手紙も英語でできない日本人がほとんどであることでしょう。

 ところが大人になってから勉強されようと思う人は、とても真剣にがんばりますし、人生経験を積んでいることと相まってよく理解もされる。

 学生時代にあれほど嫌いだった英語を大人になってから、○バや○ーオン、○ーキャン等で、一所懸命、自分で稼いだお金で勉強されて、

ちゃんと英会話ができるようになったり、英検やTOEICトーイック)を受験されて合格されたり、ハイスコアを叩きだしたりする人がたくさんおられますね。

 ですから、大人が学習した方が身になりますし、そういう意味で大人の学習権を充実させる方が本当は社会的にもいいような気もするのですが、

これらはここでの主題ではないので、本題に戻りまして、とにかく行政書士試験勉強的には、とりあえずは、子供の学習権を主体に考えるということです。 

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 そして、その子供の学習権に対応する教育の役割分担について、判例は以下のように述べています。

1.親の役割と権限

「親は、子どもに対する自然的関係により、子どもの将来に対して最も深い関心をもち、かつ、配慮をすべき立場にある者として、

子どもの教育に対する一定の支配権、すなわち子女の教育の自由を有すると認められるが、このような親の教育の自由は、主として「家庭教育等学校外における教育」や「学校選択」の自由にあらわれるものと考えられる。」

 つまり、親の役割は、家庭教育や学校選択等にあり、これらについては親に自由があるということですね。

2.教師の役割と権限

「知識の伝達と能力の開発を主とする普通教育の場においても、

例えば教師が公権力によつて特定の意見のみを教授することを強制されないという意味において、

また、子どもの教育が教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われなければならないという本質的要請に照らし、

教授の具体的内容及び方法につきある程度自由な裁量が認められなければならないという意味においては、一定の範囲における教授の自由が保障されるべきことを肯定できないではない。」

 上記によると、普通教育の教師の役割は、「知識の伝達と能力の開発」らしいです。

 (ちなみに、大学教育の役割は、「専ら自由な学問的探求と勉学」)

 そして、その役割を果たすため、これは、教授の自由のところでもやった内容ですが、普通教育の教師も、公権力による特定意見のみを教授する必要はなく、一定範囲において、自由な裁量のもとで教授・教育を行え得る自由があるとしています。

3.国家の役割と権限

「それ(上記1.2.)以外の領域においては、

一般に社会公共的な問題について国民全体の意思を組織的に決定、実現すべき立場にある国は、

国政の一部として広く適切な教育政策を樹立、実施すべく、また、しうる者として、

憲法上は、あるいは子ども自身の利益の擁護のため、あるいは子どもの成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、

必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有するものと解さざるをえず、

これを否定すべき理由ないし根拠は、どこにもみいだせないのである。」

 つまり、上記1.2.以外が国家の役割と権能であり、必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についても決定できるとしています。

 ただし、国家の役割と権能については一定の限界があり、その限界について判例は、

「政党政治の下で多数決原理によつてされる国政上の意思決定は、さまざまな政治的要因によつて左右されるものであるから、

本来人間の内面的価値に関する文化的な営みとして、党派的な政治的観念や利害によつて支配されるべきでない教育にそのような政治的影響が深く入り込む危険があることを考えるときは、

教育内容に対する右のごとき国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが要請されるし、

殊に個人の基本的自由を認め、その人格の独立を国政上尊重すべきものとしている憲法の下においては、

子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入、

例えば、誤つた知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制するようなことは、憲法二六条、一三条の規定上からも許されないと解する」

としています。

 ちなみに、上記判例の基となった事件において議論となった「中学校学習指導要領」の当否については、

1.おおむね、中学校において地域差、学校差を超えて全国的に共通なものとして教授されることが必要な最小限度の基準と考えても必ずしも不合理とはいえない事項が、その根幹をなしていると認められる。

2.中には、ある程度細目にわたり、かつ、詳細に過ぎ、また、必ずしも法的拘束力をもつて地方公共団体を制約し、又は教師を強制するのに適切でなく、

また、はたしてそのように制約し、ないしは強制する趣旨であるかどうか疑わしいものが幾分含まれているとしても、

当該指導要領の下における教師による創造的かつ弾力的な教育の余地や、

地方ごとの特殊性を反映した個別化の余地が十分に残されており、全体としてはなお全国的な大綱的基準としての性格をもつものと認められる。

3.その内容においても、教師に対し一方的な一定の理論ないしは観念を生徒に教え込むことを強制するような点は全く含まれていない。

4.それ故、上記指導要領は、全体としてみた場合、「教育政策上」の当否はともかくとして、((筆者注)当該政策的当否は裁判所が判断することではないですね・・。立法ないし行政の役割です。)

少なくとも「法的見地」((筆者注)法的見地から考察するのが裁判所の役割です。)からは、

上記目的のために必要かつ合理的な基準の設定として是認することができるものと解するのが、相当である。

としています。

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憲法正誤問題(教育を受ける権利)

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 今回は前回の内容を正誤問題で確認してみたいと思います。

(憲法正誤問題)

 次の記述は、妥当か否か。

(以下、平成15年度東京都砧犖務員試験憲法科目より引用)

「教育を受ける権利は、自由権的側面と社会権的側面とを有しており、このうち社会的側面は、国民が受ける教育の内容に対して国の介入又は統制を加えれらないことを意味している。」

(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

正解:妥当ではない

 教育を受ける権利に自由権的側面と社会権的側面があるという前半部分は正しいです。後半部分は、自由権的側面に関する説明であり、これを社会権的側面であると書いてあるので本問は妥当ではないということになります。

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教育を受ける権利

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 憲法26条1項は次のように規定しています。

「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」

 同項で規定されている権利を通常、「教育を受ける権利」といいます。

 教育により得られる知識は、この上ない財産だと思います。

 得られた知識を基に、無尽蔵の富を得ることもできれば、そこまでいかなくても、知識があれば、損しないように生きることができたり、わけのわからないトラブルに巻き込まれることを防止できたりといった効用はあることでしょう。

 逆にいうと、教育により得られる知識がないと上記のような効用を得ることができないということになります。

 ですので、教育を受ける権利は、人間の生存にも大きく関わってくるものであるということになります。

 ゆえに、教育を受けられる権利は、生存権の文化的側面を表すものであるわけです。

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 この教育を受ける権利には、まずもって、国家に対し、「我々が教育を受けることにつき、国家は干渉するな!」という自由権的側面があります。

 また、子息に教育を受けさせようと思えば、何かと金がかかるものですが、なにしろ生存そのものにも関わってくるものですから、機会均等な社会とするためには、経済的弱者の子息であっても、教育が受けられるようにする手立てが必要となってきます。

 そこで、経済的弱者の子息等も教育が受けられるように、国家が手助けをする必要が出てくるわけです。

 これが、教育を受ける権利の社会権的側面ということになります。

 このように、憲法26条1項に規定されている教育を受ける権利は、生存権と同様、自由権的側面と社会権的側面の両方を持つ複合的人権であるということをまず理解する必要があります。

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 次に問題となるが、「教育を受ける権利」(以下、受教育権という)の社会権的側面の法的な性格です。

 つまり、社会権的側面の受教育権(以下、社会権的受教育権といいます)は、プログラム規定であるのか、抽象的権利であるのか、それとも、具体的的権利であるのかという問題です。

 この問題に対処するために使うロジックも生存権のときにつかったロジックと同じロジックが使えます。

(だから、基本的内容をしっかりと理解できれば、芋づる式に他の枝葉の理解も可能となるわけですね・・。)

 まず、多数の論者は、社会権的受教育権が、具体的権利であるとはいっておりません。

 なぜだかはもうおわかりですね。

 これが具体的権利だとすると、26条から直接に給付請求権が認められ、具体的立法がなくても、憲法26条を直接の根拠として、裁判所に救済を求めることができるとなってしまうわけですが、

裁判所が国民からの訴えを受けて、「国はこれこれこういう教育を国民にしなければならない」などというのはおかしいですよね。

 だって、裁判所は教育の専門家でもなんでもないわけですから・・。

 どのような教育を国民に与えればいいのかということについては、幅広い選択肢があって、どれをチョイスすればいいのかということは、専門家でもなんでもない裁判所はわかりませんし、具体的な選択方法は憲法にも書いてないわけですから、立法裁量に委ねる他ないと考えられます。

 ですので、義務教育における授業料の不徴収(これは判例・通説とも裁判規範性を認めています)以外の社会権的受教育権については、具体的権利ではないとするのが通説的な見解であるということになります。

 プログラム規定であるという説も通説とはなりえていません。

 プログラム規定説では、教育を受ける権利を具体化するためには予算がかかるということを理由にしているのですが、

憲法の下位にある予算を憲法上の権利を拘束する理由にはできないので、この説はあまり支持を得られておりません。

 通説・判例の立場は、「抽象的権利説」で、生存権の場合の抽象的権利説と同様、具体的な立法があれば、給付請求権が生じるとしています。

 なお、社会権的受教育権の法的性質についても、「具体的権利説」というものがあります。

 提唱者は生存権の場合の「具体的権利説」の提唱者と同じです。

 ですので、論理の枠組みも、生存権の場合の具体的権利説と同じで、26条から直接的な給付請求権が認められるわけではないが、具体的立法がない場合は、立法不作為の意見確認訴訟は行え得るとするものです。

 これまでの内容がきっちりと理解できている方にとっては、今回の内容は全く難しさを感じなかったものだと思います。

 幹となる基本がしっかりと理解できていれば、(枝葉については)このように一を知り十を知ることが可能となるわけです。

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民法正誤問題(転用物訴権)

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 メルマガ26号では転用物訴権を取り上げました。

 今回は、新司法試験の問題で、転用物訴権の再確認をしてみましょう。

(民法正誤問題)

 不当利得に関する次の記述は、判例の趣旨に照らし、妥当か否か。

(以下、平成19年度新司法試験短答式試験私法系科目第27問(NO.28)ウより引用)

「建物賃借人Aとの間の請負契約に基づき,請負人Bが建物の修繕工事をした場合において,Aが請負代金を支払わないまま無資力になったときは,建物の所有者Cは,法律上の原因なくして利益を受けたことになる。」

(引用終わり)

(民法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

正解:妥当ではない

判例(最判平7.9.19)は、

1.「Bが建物賃借人Aとの間の請負契約に基づき建物の修繕工事をしたところ、その後Aが無資力になったため、BのAに対する請負代金債権の全部又は一部が無価値である場合において、」

 当該建物の所有者Cが、法律上の原因なくして、当該修繕工事に要した財産及び労務の提供に相当する利益を受けたということができるのは、

2.「CとAとの間の賃貸借契約を全体としてみて、Cが対価関係なしに当該利益を受けたときに限られるものと解するのが相当である。」

と判示しています。

 つまり、1.の要件だけではなくて、2.の要件にも該当しなければ、Cが法律上の原因なくして利益を受けたとはいえず、転用物訴権は認められないということになります。

 問題文では1.の要件しかあげられておりません(つまり、2.の要件が足りない)ので、妥当ではないということになります。

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