大阪:佐々木行政書士・マンション管理士事務所ブログ

法務・会計・心理学の1級資格を有する、ビジネス・暮らしの総合アドバイザー

大阪・寝屋川の行政書士・マンション管理士・FPです。東京商工会議所主催ビジネス実務法務検定試験(R)1級・日商簿記1級・日心連心理学検定(R)特1級の3つの1級資格を保持する、おそらく日本で唯一のトリプル1級ホルダーの行政書士だと思います。多角的な視点から思考することができる総合的なサポーターを目指しています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

お問い合わせは、E-MAIL  fwkt0473@mb.infoweb.ne.jp  まで

行政書士・マンション管理士・1級建設業経理事務士 佐々木 賢 一

(商工会議所認定 ビジネス法務エグゼクティブ(R)・日心連心理学検定(R)特1級認定者(第16号)・日商簿記検定1級認定者・FP)

大阪府行政書士会所属(会員番号4055)・大阪府行政書士会枚方支部所属

Website: http://sasakioffice.la.coocan.jp/

行政法正誤問題(訴えの利益)

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 さて、メルマガ32号では、行政法(訴えの利益等)をとりあげました。

 メルマガ32号を読み終わった方は、合わせて以下の問題を解いてみると、知識の定着を図れるものと思います。

(行政法正誤問題)

 以下の記述は、妥当か否か。

(平成12年国家公務員2種試験行政法科目より以下引用)

「競願関係にあるAとBの免許申請につき、行政庁がAに免許を与えBにはこれを拒んだ場合において、自己の申請の方が優れていると主張するBは、Aに対する免許処分の取消しを訴求し得るほか、自己に対する拒否処分の取消しを主張することもでき、後者の場合にも訴えの利益がないとはいえない。」

(引用終わり)

(行政法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

正解


妥当である。

 判例(最判昭43.12.24)は、本問のようなケースに関して以下のように判示しています。

「本件のごとき場合においては、Bは、自己に対する拒否処分の取消しを訴求しうるほか、競願者(A)に対する免許処分の取消しをも訴求しうる。」

 つまり、本問におけるBは、Aに対する免許処分取消しの訴えについての原告適格があり、また自己に対する拒否処分取消しの訴えについての訴えの利益があるということになります。

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行政法正誤問題(原処分主義)

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 さて、メルマガ31号では、行政法(原処分主義等)をとりあげました。

 メルマガ31号を読み終わった方は、合わせて以下の問題を解いてみると、知識の定着を図れるものと思います。

(行政法正誤問題)

 以下の記述は、妥当か否か。

(平成13年国税専門官試験行政法科目より以下引用)

「処分取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとのいずれも提起することができる場合においては、裁決取消しを求めるに当たって、原処分の違法を理由として主張することができる。」

(引用終わり)

(行政法正誤問題終わり)

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正解


妥当ではない。

 裁決取消訴訟においては、原処分の違法性の主張は行えず、裁決固有の瑕疵に関する主張しか行えません。

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基礎法学

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 近年の行政書士試験における基礎法学科目は「情報と法」等の先端分野や「国際公法」・「国際私法」等の国際法学的な分野、懲罰的損害賠償・禁反言といった英米法(コモンロー)上の概念等が出題され、本格的な基礎法学に関する出題が相次いでいます。

 基礎法学は、法学入門を意味するものではありません。

 基礎法学とは、憲法学、民法学等の実定法学の基礎をなす法学諸分野の総称を意味し、

臨床医学(内科学・外科学・診断学・産科学・小児科学等)に対する基礎医学(病理学・解剖学・生理学・薬理学・免疫学等)に相当するものです。

 具体的には、法哲学・法社会学・法史学・比較法学・法政策学・情報と法・法と経済学・法と心理学等といった諸分野があり、いずれも臨床法学的要素が強い実践的法学たる実定法学よりも理論的な分野です。


 このような極めて奥の深い理論的科目が基礎法学ですが、行政書士試験の基礎法学科目は、ある程度出題範囲が限られています。

 過去の出題例を以下で確認してみましょう。

18年度 

1.裁判外の紛争処理(ADR)手続の種類

2.外国人と法

 日本行政書士会連合会は、ADR分野に関する参入に力を入れており、その関係で1.が、

行政書士の主要業務のひとつである、入国管理手続、帰化申請業務等を通じて、行政書士実務と外国人と法との関係には深いものがあり、その関係で2.が出題されたものと考えられます。

17年度

1.裁判による紛争解決に関する出題

2.情報と法

 日本行政書士連合会は、司法制度改革の流れの中で、司法参入あるいは準司法参入に向けての取り組みを、ここ10年近く行っており、その関係で1.が、

また、主要業務である許認可申請等の行政手続の現場では、電子申請に対する基盤作りが進んでおり、その関係で2.が出題されたものと考えられます。

16年度

1.慣習法

2.法人の設立に対する国や地方公共団体の関与の態様

 1.は従来から出題されていた「法学概論」的な問題だと思います。基本的な法学用語の意味を問うという問題となっています。

 行政書士の主要業務には、各種法人設立に伴う許認可申請や定款作成等設立関連書類作成業務があり、その関係で2.が出題されたものだと思われます。

15年度

1.公布及び施行に関する出題

2.わが国における紛争解決制度

 1.は、従来から出題されていた「法学概論」的な問題だと思います。基本的な法学用語の意味を問う問題となっています。

 2.は、18年度と17年度の1.で説明いたしました流れに基づく、行政書士を取り巻く現実の環境に基づく出題だと考えられます。

 なお、平成14年度以前は、法学用語の意味を問う法学概論的な出題が主でした。

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 以上から鑑みるに、平成15年度以降の基礎法学の出題は、以下のように大きく3つのテーマから出題がなされているというように分析することができると思います。

?. 裁判・ADR等といった紛争解決手続きに関する出題(以下、紛争解決問題という)。

?. 外国人と法(入管業務、帰化申請等実務に関連がある)、情報と法(電子申請実務等に関連がある)といったような、最先端基礎法学テーマのうち、行政書士業務と関連が深いものに関する出題(以下、実務関連問題という)。

?. 基礎的法学用語を問う、従来の法学概論的な出題(以下、基礎用語問題という)。

 ここ4年間は、上記?.〜?.の分野からそれぞれ組み合わされて2問づつ出題されているということになります。

 組み合わせパターンは、

a.紛争解決問題&実務関連問題(H18年度・H17年度)

b.実務関連問題&基礎用語問題(H16年度)

c.紛争解決問題&基礎用語問題(H15年度)

となっています。

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 この傾向から鑑みると、平成19年度は、上記b.のパターン、つまり、実務関連問題&基礎用語問題となるのではという予想が立ちます。

(a.は2年連続続いているパターン、c.は、紛争解決問題が含まれていますが、今年もc.だとすると3年連続紛争解決問題が出題されるということになるので、

b.パターンになるのではと予測いたしました。もちろん、あくまでも予測ですから、例えば3年連続a.パターンになるかもしれませんので、その点はご了承のほどを。)

 法学基礎用語とその意味については、どの行政書士試験用テキストを見ても掲載されていますので、それでしっかりと確認するとよいことでしょう。

 実務関連については、今まで「外国人と法」「情報と法」「法人設立関連」が出題されており、

今後、繰り返しこの3分野から出題されるのか、それとも新しい分野(例えば、告訴業務に関連して、刑事司法問題等)から出題されるのかは定かではありません。

 「外国人と法」については昨年出題されているので、外すというヤマ張りをしてもよいかと思いますが、

「情報と法」「法人設立関連」については、再度出題される可能性があるので、当該分野については見直しをしておく必要があるのではと思われます。

 加えて、行政書士の告訴・告発業務に関連する、「刑事司法」等に関する情報(告訴告発手続、刑事裁判、事実認定、裁判員制度等の刑事司法に関する社会的現状と問題点等)をインターネット等で収集し、対策を練るということも有益かと思います。

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行政法正誤問題(狭義の訴えの利益)

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 メルマガ30号を読み終わった方は、合わせて以下の問題を解いてみると、知識の定着を図れるものと思います。

(行政法正誤問題)

 以下の記述は、判例に照らして妥当か否か。

(平成12年国家公務員2種試験行政法科目より以下引用)

1.

「建築確認は、建築物の建築等の工事が着手される前に、当該建築物の計画が建築関係規定に適合していることを公権的に判断する行為があるが、当該工事が完了した後における特定行政庁の違反是正命令は、建築物及び敷地が当該建築確認に係る計画どおりのものであるかどうかを基準になされるものであるから、工事完了により建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われない。」

(引用終わり)

(平成16年国家公務員1種試験(沖縄)行政法科目より以下引用)

2.

「自動車運転免許の効力停止処分を受けた者は、処分の日から無違反・無処分で1年を経過すると法律上の不利益を受けるおそれはなくなるが、その後も、この処分を受けたという事実により、名誉、信用等が損なわれる可能性があるので、効力停止処分の取消しを求める訴えの利益を有するとするのが判例である。」

(引用終わり)

(平成9年国家公務員1種試験行政法科目より以下引用)

3.

「地方議会の議員であるXは、議会から除名処分を受けた。Xは、これを不服として取消し訴訟を提起したが、訴訟継続中に議員の任期が満了となった。この場合には、Xには議員の資格を回復する余地はないから、この訴訟は、訴えの利益なしとして却下される。」

(引用終わり)

(行政法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

正解
1.  妥当ではない。

 当該工事が完了した後における特定行政庁の違反是正命令は、

建築物及び敷地が当該建築確認に係る計画どおりのものであるかどうかを基準になされるものではなく、

当該建築物等が建築基準法等に適合しているかどうかを基準としています。

 また、違反是正命令を発するかどうかは、特定行政庁の裁量にゆだねられており、建築確認の存在は、違反是正命令を発する場合の法的障害となるものではありません。

 さらに、建築確認が違法であるとして判決で取り消されたとしても、違反是正命令を発すべき法的拘束力が生ずるものではないとされています。

 建築確認は、建築関係規定に違反する建築物の出現を「未然に防止すること」を目的とし、

それを受けなければ当該工事をすることができないという法的効果が付与されるにすぎないものですから、

当該工事が完成してしまった場合は、当該建築確認取消しを求める訴えの利益は失われるとするのが判例(最判昭59.10.26)の立場です。

2. 妥当ではない。

 免停処分を受けたという事実により、名誉、信用等が損なわれる可能性があるというのは、

免停処分がもたらす「事実上の効果」にすぎず、当該「事実上の効果」をもって、

回復すべき「法律上の利益」を有することの根拠とするのは相当でないとするのが判例(最判昭55.11.25)の立場です。

3. 妥当ではない。

 訴訟継続中に議員の任期が満了となったのであれば、除名処分を取り消されても「議員の地位を回復」する余地はありません。

 しかし、当該処分が取り消されると、除名処分をされたときから、任期満了時までの「報酬を受ける権利」は回復するという実益があります。

 行政事件訴訟法(以下、行訴法という)9条1項括弧書は、

「処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなお処分又は裁決の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者を含む。」

と規定していますが、

これは、本ケースのように、処分を取り消したとしても、議員の地位という本来的なものは回復しなくても、

報酬を受ける権利の回復という付随的な効果が残っている場合やその他の実益がある場合は訴えの利益はあるということを意味すると通常解されています。

 また、地方自治法203条1項は以下のように規定しています。

「普通地方公共団体は、その議会の議員、委員会の委員、非常勤の監査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を支給しなければならない。」

 つまり、議会議員が報酬を受ける権利は法律上保護された利益であり、

とするならば、処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有し、

(行訴法9条1項の「法律上の利益」をこのように法律上保護された利益であると解する考え方を「法律上保護された利益説」といい、これが判例・通説の立場になります。)

当該元議員には、原告適格性があり、また前述したように当該処分を現実に取り消してもらう実益(狭義の訴えの利益)もあるので、

訴訟提起を行っても、「訴えの利益がない」として、却下はされないと解する(判例(最判昭昭40.4.28)も同旨)のが妥当であるということになります。

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2007年10月13日・14日開催

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「 会計法第30条において、金銭の給付を目的とする国の権利及び国に対する権利につき5年の消滅時効期間が定められているのは、国を当事者とする金銭債権の早期かつ画一的な処理を図る必要があるからであり、ほかに時効期間につき特別の規定がない場合は一律に適用される。したがって、国が安全配慮義務を懈怠した結果、違法に公務員の生命、健康等が侵害された場合、損害を受けた公務員が国に対して有する損害賠償請求権の権利の消滅時効期間は5年と解するべきである。」

(引用終わり)

(行政法正誤問題終わり)

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正解:妥当ではない。

 判例(最判昭50.2.25)は、

「国が、公務員に対する安全配慮義務を懈怠し違法に公務員の生命、健康等を侵害して損害を受けた公務員に対し損害賠償の義務を負う事態は、


その発生が偶発的であつて多発するものとはいえないから、当該義務につき、行政上の便宜を考慮する必要はなく、

また、国が義務者であつても、被害者に損害を賠償すべき関係は、

公平の理念に基づき被害者に生じた損害の公正な填補を目的とする点において、私人相互間における損害賠償の関係とその目的性質を異にするものではないから、

国に対する当該損害賠償請求権の消滅時効期間は、会計法30条所定の5年と解すべきではなく、民法167条1項により10年と解すべきである。」

と判示しており、問題文の記述はこれと相反するため妥当ではありません。

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 行政書士界恒例の秋の大祭典

行政書士有志による市民生活サポート協議会主催 

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2007年10月13日・14日開催

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秋日和、絶好の憲法学習日和・・

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 行政書士界恒例の秋の大祭典「行政書士有志による市民生活サポート協議会主催 第7回全国研修会」が10月13日・14日に開催されます。

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 絶好の秋日和とは言わないまでも、やっと秋らしい気候になってきたような感じがします。

 これからどんどん、勉強するにもよい季節になっていくと思いますので、ラストスパート是非がんばってくださいませ。

 さて、今日は絶好の秋日和ではないとしても、絶好の憲法(統治機構編:内閣)の学習日和ではあります。

 本日、福田内閣が発足し、夕方・深夜のニュースではこれ一色になると思うのですが、

是非、六法を手元に置いて、憲法条文を参照しながら、当該ニュースをご覧頂ければと思います。

 憲法69条、70条の規定に該当する場合は、必ず総辞職をしなければなりません。

 なお、内閣総理大臣の辞職は、70条上の「内閣総理大臣が欠けたとき」に含まれます。

 安倍総理が今朝、辞職ということになったので、70条に基づき、安倍内閣も午前中の閣議で、総辞職となったわけです。

(というか、理論上内閣総理大臣だけの単独辞職はありえず、

総理が辞職したら、機械的に内閣も総辞職しなければならないということになります。)

 70条に基づき、内閣総辞職となっても、71条に基づいて、

「内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行」なわなければなりません。

 当該内閣を「事務引継ぎ内閣」といいますが、福田内閣が発足するまで、安倍内閣は、「事務引継ぎ内閣」状態にあります。

 当該事務引継ぎ内閣は、事務引継ぎだけが職務となるので、

重要事項、例として衆議院の解散等は行え得ないと解されています。

 さて、新内閣が成立するまでの流れですが、総辞職を決定したら、

まず、国会法64条

(内閣は、内閣総理大臣が欠けたとき、又は辞表を提出したときは、直ちにその旨を両議院に通知しなければならない。)

に基づき、

 総辞職の旨を衆参両議院長へ通告しなければなりません。

 これを受けて、衆参両議院で、次の内閣総理大臣の指名が行なわれます。

 これは、以下の憲法67条1項の規定に基づくものです。

「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。」

 現在、衆参両院はいわゆるねじれ現象と呼ばれる状態になっており、

衆議院は与党が、参議院は野党がそれぞれ優勢な形になっています。

 政府・与党VS野党の対抗関係が、衆議院VS参議院という憲法形式上に現れる、進んだ政党国家現象が露見しています。

 ですので、衆議院では、自民党総裁が、参議院では、民主党代表が、内閣総理大臣として別々に指名されることになります。

 こんなことは、そうそうありません。

 衆参別々総理大臣指名は、1998年以来9年ぶりで、今回を入れずに、以下の3回しかないそうです。

(資料)

1948年 芦田均(衆)VS吉田茂(参) (芦田均が最終国会議決)

1989年 海部俊樹(衆)VS土井たか子(参) (海部俊樹が最終国会議決)

1998年 小渕恵三(衆)VS管直人(参) (小渕恵三が最終国会議決)

(資料終わり)

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 では、このように衆参で異なった内閣総理大臣の指名が行なわれた場合、どうなるのでしょうか?

 そう、9年ぶりに以下の条文のお出ましということになるわけです。

(実社会にあまりお出ましできなくて、寂しいからかどうかはわかりませんが、行政書士試験等の法律系資格試験には、この条文、よくお出ましします・・。)

日本国憲法67条2項

「衆議院と参議院とが異なつた(内閣総理大臣の)指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき(中略)は、衆議院の議決を国会の議決とする。」

 この67条2項さん、久しぶりに日のあたるところに出てこられて、今日は、さぞかし喜んでいることでしょう。

..\(・◇・@)/..

 67条2項さんは、日頃は、憲法研究者や法律系資格試験の受験生ぐらいにしか知られるに過ぎない存在なのに、

(しかも、受験生には好かれているというよりは、うっとしいがられている存在ではないかと思います)、

今日は全国民の前に晴れ晴れしい、姿を現すことができるわけですから・・。

 ともあれ、次なる手続として、憲法67条2項に基づき、

法律(国会法)の定めるところにより、

両議院の協議会(国会法上は「両院協議会」という)なるものが開かれることになるわけです。

 国会法86条2項は以下のように規定しています。

「内閣総理大臣の指名について、両議院の表決が一致しないときは、参議院は、両院協議会を求めなければならない。」

 さらに、国会法88条が、

「(国会法84条2項の例を除いて)一の議院から両院協議会を求められたときは、他の議院は、これを拒むことができない。」

と規定していることから、

まず、参議院が両院協議会開催を求め、

そして、衆議院はこれを拒否できませんので、

結局、両院協議会が開かれることになります。

 両院協議会は、各議院において選挙された各々10人の委員で組織されます(国会法89条)。

 そして、各議院の協議委員の各々3分の2以上の出席がなければ、議事を開き議決することができません(国会法91条)。

 なお、総理大臣指名においては、両院協議会で、衆議院(今回は福田総裁が指名されました)、参議院(今回は小沢代表が指名されました)で指名された人以外に関する人を議題とすることはできません。

 両院協議会においては、協議案が出席協議委員の3分の2以上の多数で議決されたとき成案となりますが(国会法92条1項)、

与野党が激しく対立している今回は当該議決がされるわけがなく、協議は必然的に不調に終わります。

 となると、当該事実が、

憲法67条2項の

「両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき」という、

要件に合致することになるので、

 「衆議院の議決を国会の議決とする。」という

法的効果が生じ、

自民党福田総裁を内閣総理大臣に指名するという衆議院の議決が国会の議決となるわけです。

  なお、過去問にも出題されているのですが、内閣総理大臣の指名については、予算と違って、衆議院に先議権はありませんので、注意が必要です。

 総理大臣指名に関する衆参本会議の模様は、

憲法57条(両議院の会議は、公開とする。)の規定により、公開されているので、ニュース映像としてみることができますが、

両院協議会の協議の模様は、ニュース映像としてみることはできないことでしょう。

 なぜなら、国会法97条が、「両院協議会は、傍聴を許さない。」と規定しているからです。

 残念・・。

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 この後の流れは、まず、憲法68条1項

(内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。)

に基づき、組閣が行なわれます。

 総理大臣及び国務大臣は文民でなければなりません(憲法66条2項:文民統制原則:シビリアンコントロール)。

(文民とは何かということについては、争いがありますが、

現在職業軍人(現職自衛官を含む)でなく、またこれまで職業軍人であったことがない者

と解するのが有力説となっています。)

 組閣が終わると、その旨を事務引継ぎ内閣総理大臣(安倍旧総理大臣)へ通告し、

事務引継ぎ内閣(安倍内閣)は、憲法3条、6条、7条に基づき、

新内閣総理大臣任命及び国務大臣認証に関する、

天皇への助言と承認を行なうため最後の閣議を行なうということになります。

(参考憲法条文)

3条

「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」

6条

「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」

7条

「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」

同条5号

「国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。」

(参考憲法条文終わり)

 事務引継ぎ内閣の最後の閣議が終わると、

新内閣総理大臣と新国務大臣の天皇による任命(憲法6条)及び認証(憲法7条)が皇居において行なわれます。

 (組閣に時間がかかる場合は、内閣総理大臣の任命だけが前もって行なわれ、

組閣終了するまで内閣総理大臣が全国務大臣の職務を兼務するという場合もあります。)

 任命(式)及び認証(式)が終了すると同時に、

安倍内閣総理大臣及び安倍内閣の国務大臣は自動的にその地位を失うことになります。

前記の憲法71条に「内閣は、あらたに

「内閣総理大臣が任命されるまで」

引き続きその職務を行ふ。」とあるからですね。

 任命及び認証を終え、新内閣が成立したら、その旨を国会に通告し、一連の手続は終了するということになります。

 六法片手にリアルタイムのニュース映像を見ながら、今日の当ブログの記事をお読みになると、憲法条文が映像とともに鮮烈に脳裏に残ります。

 こんな機会は滅多にないので、今日は絶好の憲法学習日和というわけです・・。

 では、今日の内容の確認として、以下の正誤問題を解いてみましょう。

以下の記述は妥当か否か。

(平成16年度行政書士試験問題7より以下、引用)

1.

「新しい内閣総理大臣が、まだ国務大臣を一人も任命していないうちは、前の内閣が引き続き職務を遂行する。」

(平成11年度行政書士試験問24より以下、引用)

2.

「内閣総理大臣の指名は、衆議院が先に議決しなければならず、その後に行われる参議院の議決と異なった場合は両議院の協議会を開き、それでも意見が一致しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。」

(引用終わり)

正解:

1.妥当ではない。

 憲法71条により、新しい内閣総理大臣が任命されれば、事務引継ぎ内閣の引継ぎも終了し、その地位を失います。

 前述したように、組閣が遅れ国務大臣を新総理が一人も任命していなければ、全国務大臣を総理が兼務しますので、総理任命後は、このような形で新内閣が職務を遂行するということになります。

2.妥当ではない。

 内閣総理大臣指名に関しては衆議院に先議権はありません。

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 前回の試験委員対策的なテーマの中で、「政党国家現象」という用語が出てきました。

(KCC答案練習講座に参加されている方は、憲法の答練講座で試験委員対策として今回のテーマに関する出題がありますので、受講生の方で、このブログをご覧になっている方は、予習として、今回の内容をご利用いただけます。)

 歴史的な過程の中で国家意思の形成に政党が事実上主導的な役割を果たしてきたわけですが、

そのために、旧来的な議会と政府との対抗関係が、現代においては政府・与党と野党との対抗関係に変遷している状況を「政党国家現象」といいます。

 衆議院第一党集団(つまり、議会、立法権を牛耳っている人達)である自民党の総裁選は、

事実上、内閣総理大臣(政府、つまり行政権を牛耳る内閣の首長)を選ぶ手続でもあります。

 となると、憲法条文を勉強した方は、ちょっとまてよとなりますね。

 立法権と行政権は、対抗し、相互牽制しながらやっていかないといけないのに、

その事実上のトップが、どちらも同じ人ってどういうこと?という素朴な疑問がわいてくるのではないかと思います。

 そんなので、議会(衆議院)側の内閣に対する牽制の切り札である、

内閣不信任案を決議できるのか?

内閣側も、同様の切り札である解散権を行使できるのか?

憲法の規定は絵に描いた餅になるではないか!

という感じになりますね。

 だって、議会側・政府側のトップが事実上は同じなわけですから・・。

 これでは、与党で仲間割れが起きたときぐらいにしか内閣不信任案決議の可決や衆議院の解散はありえず、なんだかなあという感じですね・・。

(実際、昨年の衆議院解散総選挙も郵政民営化を巡っての自民党内の内紛が原因でしたね。)

 というか、仲間割れした方が、権力分立的な権力間の相互牽制が期待でき、

 世間で悪の権化のように言われている、

自民党派閥政治バンザイ!になるではないですか。

 つまり与党が、絶対的に強く、野党が政権を取れる兆しさえないような(今後はわかりませんが)、

今までの日本政治のような状態の中で、

かつ、与党が一枚岩で内紛なんて絶対ないほどのまとまりを見せていたら、

そっちの方が国民にとっては、怖くて、それこそ、内閣不信任案決議可決も衆議院解散もありえず、

まさに権力分立思想は完全に形骸化してしまうということになります。

 なので、強すぎる与党であるならば、派閥があった方がいいということになりますね。

(そうでなくても、政党内に派閥があった方が、より複雑な権力分立構造になるので、よい面があるような気はするのですが・・。

まあ、ただ、世間で一般的に言われている「派閥は悪い」というイメージが何の疑問もなく、

頭の中に完全インプットされている場合は、

そういう視界も開けてこず、ただただ「悪い」という機械的な結論しかでてこないのかもしれないのですが。)

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 三権分立思想ができたときは、「政党」なるものの存在は予定されていなかったんですね。

 むしろ、国家と政党との関係は敵対関係でさえあったようです。

 政党と国家との関係はこのように、

まず、敵視状態から始まり、無視、承認・法制化、憲法編入という段階に進んでいくと解する考え方があります。

 この考え方を、「トリーペルの発展図式」といいます。

 わが国の政党はトリーペルの発展図式の承認・法制化段階にあると一般に言われています。

 政党助成法・政治資金規正法・公職選挙法等の政党関連法がありますからね。

 そういう中で、判例(最大判昭45.6.24:いわゆる八幡製鉄政治献金事件判決)も、政党の憲法上の意義について、

「憲法の定める議会制民主主義は政党を無視しては到底その円滑な運用を期待することはできないのであるから、」

「憲法は、政党の存在を当然に予定しているものというべきであり、」

「政党は議会制民主主義を支える不可欠の要素であり、そして同時に、政党は国民の政治意思を形成する最も有力な媒体であると解する。」

と判示するにいたっています。

 ここまで来ると、原始的三権分立思想も、形式的なものとなり、

議会と政府との対抗関係から、

政府与党と野党との対抗関係へと

変遷していくわけですが、この現象を「政党国家現象」と通常呼んでいるわけです。

 現実の政治をとらえるには、形式的な憲法条文から見るのではなくて、

実質的なこの「政党国家現象」から見た方がわかりやすいのかもしれませんね。

 議会(国会)・政府(内閣)の対抗関係ではなくて、与党・野党の対抗関係から、権力分立を見るという見方です。

 そうすると、現実の政治の流れも見やすくなるものだと思います。

(というか、憲法の条文を知らずに現実だけ見ていれば、すぐにわかることでもありますが・・。)

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 そして、このように実社会の実態に合わせて、憲法解釈も変わってくるということになります。

 つまり、政党国家現象的なものを前提に憲法を解釈していくとかそういうことになってくるわけですね。

 憲法のどこにも「政党」なんて書いていないのに、判例が、

「憲法は、政党の存在を当然に予定している」

 とまで言い切ってしまうのにはそういう理由があるものだと思われます。

 こうして、憲法も形式的条文的世界から飛躍し、解釈を媒介として、新たな姿を現すということになります。

 ですので、条文をじっと見ていているだけでは、憲法の中身は見えてこず、

また「判例」もよくわからない意味不明なことをいっているように見えてしまうということにもなるわけです。

 様々な背景をもった解釈を理解してはじめて、

法律というものの後姿がようやく見えてくるものであり、

条文だけ眺めているだけでは、実は法律の何も見えていないということになるのではないかとも思います・・。

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 今回のタイトル、非常に失礼なタイトルにしてしまって、申し訳ありません・・。<(*_ _)>

 はい、お見込みの通りです。

 注意(attention)を引くためにあえてこういうタイトルにさせていただきました・・。

 インターネットではこういう手法が流行っているようなので、少しやってみたかったんです・・。

 ご気分を害されたならお許しくださいませ・・。(;_;)

 さて、これまで、このブログでは憲法(人権編)を中心に取り上げてきました。

 行政書士試験対策としては十二分な内容の提供ができたのではないかと思います。

 よくご理解いただいた方はこの分野に関する本番の問題を前にして、余裕を持って挑めるのではないかと存じます。

 そういうことで、憲法人権編は一応、一段落したので、次のテーマを検討中です。

 今回は、久しぶりに軽い話題として、試験委員対策について考えてみたいと思います。

 試験委員対策は必要ないという方もおられますが、しかしながら、昨年度出題された以下の問題を見てみましょう。

 (平成18年度行政書士試験問題8より以下引用)

問題8 公法と私法が交錯する領域に係る次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 防火地域に関する建築基準法の規定は、民法の相隣規定に関する特別法として適用されるとするのが最高裁の判例である。
2 現実に開設されている私道を日常的に利用する利益は反射的利益であり、敷地所有者に対して通行妨害排除の民事訴訟を提起する利益とはなりえないとするのが最高裁の判例である。
3 建築確認は、その土地について私法上の権原がある者により申請される必要があるから、権原なき者によって申請された場合には、そのことを理由として却下することができるというのが最高裁の判例である。
4 公営住宅に世帯主として入居している者が死亡した場合、その相続人が低所得者であるときには、入居関係は相続させなければならないとするのが最高裁の判例である。
5 海岸線の変動により、従来私人の所有であった土地が海面下に沈んだ場合には、私人の土地所有権は自動的に滅失するというのが最高裁の判例である。
(引用終わり)

 今回は、問題解説がテーマではありませんので、この問題の解説は行ないませんが、

この問題、新任試験委員のカラーがモロに出ている問題です。

 恐らく出題にかかわったのは、昨年度から着任された以下の委員ではないかと推測されます。

 ココをクリックしてください。秋山靖浩試験委員に関するページ 

 この問題8は、一応行政法の問題とはなっていますが、内容的には、秋山委員の専門分野であり、

民法の学際テーマである相隣法、相隣関係、地役権、都市計画、建築法規等に関する問題となっています。

 選択肢1などは、 相隣法における代表的な論点であり、相隣法を専門にしている研究者ならついつい出したくなるテーマだと思います。

   問題8は、「公法と私法が交錯する領域に係る」内容に関するものですが、

秋山委員は、

日本法社会学会学術大会全体シンポジウムで、

「民法学における私法・公法の<協働>――その現状と課題――」というテーマでの発表も行なっているようですね。

 行政書士試験は、国家試験であり、出題する方としても、失敗は絶対に許されないものであって、作問作業は、非常に緊張感のある仕事だと思います。

 ある意味、試験委員も命がけで仕事をしています。

 新司法試験では、作問ミスではありませんが、試験委員が不適切な試験対策答案練習会での指導を行なったということで、

当該委員は、大学院教授の職を辞し、それでも収まらず、全国の弁護士等が当該委員を国家公務員法違反で告発するという騒ぎまでになっています。

 恐らく当該委員もそんなに悪気はなかったものだと思うのですが

(ですので、私見的には少しかわいそうな気もしないでもないですが・・。)

ほんの少しのミスがこのような事態を招き、まさに命取りになってしまいます。

 そういう意味で試験委員の仕事は命がけであるということです。

 出題ミスは許されないわけですから、どうしても、委員の得意中の得意分野を出題したくなるというのは心理的にしかたないことではないかと思います。

 学者の専門分野は非常に狭い領域であり、例えば民法学者といえども、必ずしも民法全般に精通しているとは限らないので、

専門分野以外のあまりよく精通していない分野の内容を無理して出題するとミスが生じるおそれがあります。

 条文を単純に問う問題ならばそうそうミスも生じないとは思いますが、

法的思考力を問う形に変貌した新行政書士試験においては、そういう単純な問題ばかりを出題することはできません。

(そんな単純な問題ばかりの出題でいいならば、

法科大学院教授等を試験委員として多数並べる必要もなく、

六法を渡せば誰でも作問できるわけですから、中学生を試験委員にしてもいいんですね。極端な話・・。)

 そういうことで、複雑な問題を出題しなければならないわけですが、問題文を長文化し、内容を複雑にすればするほど、比例的に出題する側にミスが生ずる可能性が高まります。

 よって、リスクを避けるために勢い自分が得意な分野を出題してしまうということはよくあることではないかと思います。

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 だからといって、各試験委員の専門分野をツブさに潰すということは不可能かと思いますし、そこまでする必要はないものだと思います。

 全てが難しくて複雑な問題ではありませんから。

 では、試験委員情報を何に使うのかというと、それは、基本をしっかりと学習し、

一通り試験範囲の勉強した後の、本試験の難問ヤマ当てに使えばよいのではないかと思います。

 例えば、秋山委員と同様に、昨年から着任された林知更試験委員(憲法)の専門分野は、「政党」です。

 となると、「政党」に関する憲法判例、

例えば、「最大判昭45.6.24」、いわゆる八幡製鉄政治献金事件判決に関する出題がされるのではないかという予測が立つわけです。

(この判例は、「憲法は、政党の存在を当然に予定している」と解したものです。)

 あるいは、政治資金に対する規制はやむを得ないものであるとする通説の見解や、

この分野(政党)ではよく知られている、

政党と国家との関係は一般に、敵視状態から始まり、無視、承認・法制化、憲法編入という段階に進んでいくという考え方(トリーペルの発展図式)、

 ドイツ基本法(憲法)21条2項で、

「政党の目的または当該政党構成員の行動が自由かつ民主的な基本秩序を侵害もしくは除去し、

または、ドイツ連邦共和国の存立を危くすることを目的とするものは、違憲である。

連邦憲法裁判所が違憲の問題に関する最終的な判断を行なう。」

 と規定されている「戦う民主主義思想」は、日本においては否定的にとらえられているということ、

 議会と政府との対抗関係から政府与党と野党との対抗関係へと権力闘争のあり方が変遷しているという考え方である、

「政党国家現象」などが、出題されるのではないかという予測が立つということになります。

 このような形で試験委員情報は、多勢が間違える難問のヤマ当てに利用できるということになります。

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 例えば、「政党国家現象」等に関する問題が仮に出題された場合、受験生はお手上げ状態となり、得点できない人が多いことでしょう。

「多勢ができない問題は解けなくてもいい。」とアドバイスする方もおられますが、

合否ライン上に数千人が並んで、一点差で、合格・不合格が分かれる行政書士試験においては

(これは平成14年度試験の結果を見ればわかるかと思います。1問ボツ問があっただけで合格率が跳ね上がったわけですから、当落線上に非常に多くの方がひしめいているということになります。)

誰もが得点する問題はミスなく得点し、その上で多勢ができない難問を何問か得点できることが合格の必須条件となります。

 基礎力をしっかりと身につければ、合格まであと一歩のところまでは得点できます。

 しかし、合格に必要なのは、その先のあと1問です。

 しかしながら、合格に必要なそのあと1問が、いじわるなことにとても難問の出題になっています。

 誰しもが得点できる問題だけを得点していても合格は難しく、そのことは約5%という合格率に如実に現れています。

 合格するための最後のあと1点を得点する上で、試験委員情報に基づくヤマ当ては非常に役立つものと思われます。

 では、どうやれば試験委員情報を手に入れられるかということですが、インターネットを使えば容易に入手することが可能です。

 まず、試験委員名簿は以下にあります。

 試験委員名簿はココクリックしてください。


 次に、各試験委員の名前をグーグル等で検索すれば、各自の専門分野等がわかるページを見つけることができると思います。

 全てを検討する必要はありませんが、気になる試験委員の気になる専門分野については、これもインターネットを使えば容易に検索できます。

 例えば先の林知更試験委員の場合ですと、専門分野は「政党」。

 そこで、「政党」「憲法」「判例」をキーワードにグーグルで検索してみると、この分野に関する様々な情報を得ることができます。

 前述した「八幡製鉄政治献金事件判決」なども出てきますね。

 当該判例の内容を詳しく知りたい場合は、判例検索システムを使います。


 こうすると、出題される可能性の高い、判例も絞れるということになるわけです。

 「政党」「憲法」「学説」をキーワードにグーグルで検索してみると、これまた前述した、「トリーペルの発展図式」等が出てきますね。

 また、インターネットを使わないオフライン的なリサーチとして、学者が書いた憲法基本書の「政党」に関する部分の記述

(その部分のみを読むために買うのがもったいないというのであれば、図書館で読むという形でもよいことでしょう。)

を読むということも有効かと思います。

 こういう手順で試験委員情報を活用すると、精度の高い問題予想が行え、

ズバリ当てることができる難問のヤマ当てが可能となって、多勢が得点できない問題を得点することもでき、

(競争試験ではないのですが、合格ボーダー1点下に数千人がひしめき合うということは、

その1点が得点できるか否かが合否の分かれ目になっているということです。)

受験上非常に有利になります。

 繰り返しになりますが、この試験委員対策は、何問か出題される難問を全て得点するためのものではありません。

 合格するために必要なあと、数問を得点するためのものです。

 ですので、やりすぎは禁物だと思います。

 気になる試験委員、気になるテーマに絞って行なうと、効果が期待できるのではないかと思います。

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  さてメルマガ28号では相続を取り上げました。

 メルマガ28号を読み終わった方は、合わせて以下の問題を解いてみると、知識の定着を図れるものと思います。

(民法正誤問題)

 以下の記述は、民法の規定及び判例に照らして妥当か否か。

(平成16年国家公務員2種試験民法科目より以下引用)


「Aが死亡し、Aが所有していた不動産をB、Cが共同相続したが、Cが相続放棄した後に、Cの持分に対して債権者Dが差し押さえた場合、Bは自己の所有権を登記なくしてDに対抗できない。」

(引用終わり)

(民法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

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正解は以下です。

正解:妥当ではない。

 最高裁判例(最判昭42.1.20)は、

「相続人は、相続の放棄をした場合には相続開始時にさかのぼつて相続開始がなかつたと同じ地位に立ち、

当該相続放棄の効力は、登記等の有無を問わず、

何人に対してもその効力を生ずべきものと解すべきであつて、

相続の放棄をした相続人の債権者が、相続の放棄後に、相続財産たる未登記の不動産について、

右相続人も共同相続したものとして、代位による所有権保存登記をしたうえ、

持分に対する仮差押登記を経由しても、その仮差押登記は無効である。」

と判示しています。

 判例に照らすと、相続放棄の効力は絶対であり、本問におけるBも登記等なくしてDに対抗できるので、これと反する記述になっている本問は妥当ではありません。

 より、詳しい解説は以下の当メルマガバックナンバーでご確認のほど宜しくお願いします。

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憲法正誤問題(参政権等)

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 今回は前回の内容を正誤問題で確認してみたいと思います。

(憲法正誤問題)
 
以下の記述は、妥当か否か。

(平成13年度国家公務員試験憲法科目より以下引用)
1.

「国民は、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負っているから、法律の定める免除事由によらず普通教育を終えていない者は選挙権を有しないとする法律を制定しても、憲法に違反しないと解するのが通説である。」

2.

「選挙に関する犯罪により一定以上の刑に処せられた者に対して、選挙権を所定の期間停止することは憲法に違反するが、被選挙権については所定の期間停止することとしても憲法に違反しないとするのが判例である。」

(引用終わり)

以下の記述は、判例に照らして妥当か否か。

(平成13年度国税専門官試験憲法科目より以下引用)

3.
「宗教上の信念に基づき輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している患者に対し、医師が、手術の際に輸血以外には救命手段がない事態が生じた場合には輸血を行なうとの方針を採っていながら、当該方針を事前に患者に説明することなく手術を行なうことは、このような手術を受けるか否かについて患者が意思決定をする権利を奪うものであり、人格権の侵害に当たる。」

(引用終わり)

(憲法正誤問題終わり)

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正解は以下です。

解答


1. 妥当ではない。

 憲法15条2項で保障される普通選挙は、狭義では、「財力によって選挙権を与える与えないというような差別をしない選挙」という意味ですが、

広義では、財力だけではなく、教育・性別なども選挙権の要件とはしてはならないという意味になり、

現在、普通選挙を広義でとらえるのが通説的立場です。

 とすると教育は選挙権の要件とはならないわけですから、普通教育を終えていない者は選挙権を有しないとする法律は違憲となると解するのが妥当ということになります。

 問題文はこれに相反する記述となっているので妥当ではありません。

2. 妥当ではない。
 
 選挙権であれ、被選挙権であれ、選挙には公務としての性格があるがゆえに、公職選挙法上の受刑者や選挙犯罪の処刑者に対する当該権利の制約も許されると解されます(判例(最判30.2.9)も同旨)。
 
 判例(最判30.2.9)は、


「国民主権を宣言する憲法の下において、公職の選挙権が国民の最も重要な基本的権利の一であり、

それだけに選挙の公正はあくまでも厳粛に保持されなければならないのであつて、

一旦この公正を阻害し、選挙に関与せしめることが不適当とみとめられるものは、

しばらく、被選挙権、選挙権の行使から遠ざけて選挙の公正を確保すると共に、

本人の反省を促すことは相当であるからこれを以て不当に国民の参政権を奪うものというべきではない。」

と述べ、

選挙犯罪の処刑者に対し、被選挙権・選挙権を制限しても違憲とはならないと判示しています。

3.妥当である。

 判例(最判平12.2.29)の判示に基づく記述であり、妥当です。

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